長距離ランナーはよく眠る

ランナー

長距離ランナーは、たくさん眠っています

睡眠の目的の一つは、心身の疲労を回復させることです。寝ついてからの3時間に多く現れる、深いノンレム睡眠のときに成長ホルモンがたくさん分泌されます。成長ホルモンは、日中に痛んだ細胞をメンテナンスしてくれます。

では激しいスポーツをすると、睡眠はどのように変化するのでしょうか?

大学の駅伝選手を対象にして、運動量と睡眠時間の関係を調べた研究があります。これによると、練習量が少ない授業期間中には、1日平均19キロメートルを走り、睡眠時間の平均は7時間34分でした。練習量が増える夏合宿中には、平均走行距離は1日32キロメートルで、睡眠時間は8時間45分でした。

夏合宿中には、夜に眠るだけでなく、午前や午後にも仮眠をとっていました。一方、夏休み中でも合宿がない期間には、合宿中ほど眠ってはいませんでした。

一般の大学生の平均睡眠時間は6時間台ですから、駅伝選手は普段でも長く眠っていて、練習量が増える夏合宿中には、さらによく眠ることがわかりました。やはり、激しい運動をすると、疲労を回復して体力を増加させるために、自然と長い時間眠るようです。

運動能力を高める睡眠のポイント

バスケットボール

長く眠ると、本来の運動能力が発揮されます

米国スタンフォード大学のシェリ-・マー先生は、運動能力を向上させるための睡眠法を研究しています。

彼女は大学のバスケットボール・クラブの選手に、シーズン中の5~7週間、毎日10時間眠るように指示して、運動能力がどのように変化するかを調べました。

睡眠時間は、自分で書き込む睡眠日誌と、腕時計型の活動計を使って記録しました。実験前の睡眠時間は、睡眠日誌で7.8時間、活動計では6.7時間でした。これは、日本の大学生とほぼ同じ長さです。実験が始まってからの睡眠時間は、睡眠日誌で10.4時間、活動計では8.5時間になりました。毎日2時間~2時間半ほど、長く眠るようになったということです。

睡眠延長実験の前後を比べると、運動能力と意欲は明らかに良くなりました。
・282フィートダッシュ 実験前:16.2秒→実験後:15.5秒
・フリースロー(10回中) 7.9回→8.8回
・3ポイントシュート(15回中) 10.2回→11.6回
・練習中のやる気(10点満点) 6.9点→8.8点
・試合中のやる気(10点満点) 7.8点→8.8点

マー先生のコメントによるとこの結果は、長く眠ることで運動能力が良くなったというより、十分な睡眠をとることで、本来ある能力が十分に発揮されたのだろう、ということです。運動選手とスポーツ関係者はまだ、睡眠の重要性について十分に理解しているとはいえないので、多くの人が睡眠についての正しい知識を学んで、実践していただきたいと思います。

また、ダッシュ記録は、数週間にわたって改善していました。これは、自覚していないけれども多くの人が慢性の睡眠不足を抱えていて、その解消には数週間の期間がかかるということだと思われます。

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