誤解3 分冊百科を読んだり、科学系のテレビ番組を見たりするのは、お勉強とは無関係だから意味がない
巷には「分冊百科」と呼ばれる科学系の週刊誌がたくさんあります。その中に、小学生が好みそうなマンガが主体のものもありますね。そういったものをお子さんが読んでいると、「勉強もしないでそんなマンガみたいなもの読むなんて!」と怒られる方もいらっしゃるでしょう。たとえ科学系の番組であろうと、テレビなんてもってのほか、そう思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか。先日、ある出版社の方との打ち合わせの時に、うちの塾の本棚に並んでいた「分冊百科」を見て、こんな話をしてくれました。「以前、駒場東邦中に取材に行ったときに、取材した理系の生徒の多くが小学生の頃、「分冊百科」を読んでいたと言ってくれたんです。それがとても嬉しかった」と。駒場東邦中は都内屈指の男子校です。理系の大学進学に強く、医学部にも多数の生徒が進んでいます。こうしたトップ校の生徒の多くが「分冊百科」を読んでいたというのです。私はこの話を聞いて、妙に納得しました。そして理科という科目は座学に頼る必要はないと、私自身改めて確信しました。
理科という科目は、学習者の興味・関心が成績に大きな影響を及ぼす科目です。「理科が好きだ」という生徒に理科が不得意な生徒はまずいません。ということは、理科の成績を上げる最も簡単な方法は、子ども達に理科に対する興味・関心を抱いてもらう、ということになります。お子さんの興味・関心を喚起するツールとして「分冊百科」や「科学系特番」はうってつけだと思います。
ここで気をつけなければならないことは、それらよりも興味や関心を抱きやすいもの、たとえば単なるマンガ本だったりゲームといったものはできるだけ排除しておく必要があるということです。せっかくそうしたものを買いそろえても、家の中にマンガが溢れていたり、お父さんがテレビのバラエティ番組ばかり見ていたら、当然そちらに興味・関心が吸い取られてしまいますよね。
せっかくの夏休みですので、ご家族で博物館や科学系の施設に遊びに行ったりしてみてはいかがでしょうか。あるいは自由研究を本気で取り組んでみるのも、いいきっかけになるかもしれませんね。