では、そもそも、なぜED治療薬には処方箋が必要なのでしょうか。
効き目が強い代わりに指導が必要な処方薬
私たちが使う医薬品は大きく「医療用医薬品」と「一般用医薬品」とに分かれています。医療用医薬品は、患者さん一人ひとりの病気や症状、体質などに合わせて医師が出す処方箋に基づいて薬剤師が調剤する薬で「処方薬」とも呼ばれています。これに対して一般用医薬品は、年齢も体質も異なるさまざまな人が使えるように効き目を調節し、より安全性を高めてつくられています。このため「大衆薬」「市販品」などとも呼ばれます。
一般的に、処方薬は病気や症状に対する強い効き目を期待できます。半面、服用の仕方によっては副作用が生じる恐れがあるため、医師や薬剤師の指導が必要です。
世界中、どの国でも必要な処方箋
処方箋は、正しい診察を受け、適切な診断が下されたことの証(あか)し
処方箋が出されるということは、正しい診察を受け、適切な診断が下されたということに他なりません。処方箋に基づいて出される医薬品は当然のことながら、正規品(純正品)です。ですから、安心して服用できるのです。
ある調査によると、日本にはEDに悩む人が1000万人以上いるといわれていますが、このうち、医師に相談した人は5%弱に過ぎません。つまり、95%以上の人は医師の診察を受けないで悩み続けているか、ネット上の通販品を利用していると考えられています。
処方はどんな診療科でもOK。問診と簡単な健康チェックで即処方
ED治療薬の処方は泌尿器科に限らず、どんな診療科でもOK。思い悩む前にまず受診を
EDの中でも、心理的な理由から起こる心因性EDの場合には、問診だけでEDかどうかの診断がつきます。その上で、ED治療薬を服用するのに支障のない健康状態であることが確認されれば、その場で処方されます。EDの診察はそれほど簡単です。
EDの診察や治療というと、真っ先に泌尿器科を思い浮かべますが、処方はどんな診療科でもできるので、訪ねるのは形成外科でも内科でもかまいません。ですから、一人で悩んでいるより、思い切って診察を受けたほうが症状の改善にも、精神的にもよいのです。
非正規ルートで流通する大半は偽造品
EDで悩んでいながら受診しない(できない)人が挙げる理由の上位は「病院に行くのが恥ずかしい」「病院に行く時間がない」「人知れず入手して、ひそかに治したい」といったところです。こういった理由もあって、近年、インターネットなどを利用した通販品の利用者が急増しています。当然のことながら、ここで流通するED治療薬には処方箋がありません。ということは、医師の診断を踏まえた正規品ではないということです。最近はこのような非正規ルートで流通するED治療薬による健康被害がいくつも報告されています。
非正規ルートで流通するものの大半は偽造品と考えて差し支えありません。自分の健康を守るためにも、専門医を受診し、適切な指導を受けて、正規品を処方してもらうことが大切です。また、ED治療薬メーカーが提供しているED啓発サイトの中には、ED治療薬を処方している病医院を探せる検索機能を提供しているものもありますので、近くのクリニックを検索してみるのもよい方法です。
>>ED治療薬の処方はどのようにされる?
>>ED治療薬が薬局で買えない理由