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漫才とコントの違いを今さらのように考えてみる(2ページ目)

「漫才とコントの違い」というテーマは、かなり昔から色々な方が語っていますが、決定的な答えが出ていないような気がします。そこへ自分が最終結論が出せると過信してる訳ではないのですが、一度自分なりの考えをまとめてみたく、このようなものになりました。参考にしてもらえると大変ありがたいです。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

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違いを示すことの難しさ

なんだか「漫才とコントに違いはない」みたいな結論に落ち着きそうな雰囲気ですが、もうしばらくお付き合い下さい。どうにかして納得いく落としどころに持ち込みますから(願)。

ダウンタウンやサンドウィッチマン、おぎやはぎのように、漫才、コントともに得意とする芸人も少なくありません(3組ともタイプが全然違うところが面白い)。漫才の中にコントのような掛け合いが入ったものを、コント漫才と呼んだりもします。

あとショートコント専門の芸人も分類が難しいですね。だいたい、冒頭で「○○○(コンビ名)のショートコント!」と名乗りを上げるので、間違いなくコントグループに見えますが、漫才師が途中からコントを始めるパターンと、これ、スタイル的には変わらないのでは? 改めて問いますが、いったいコントと漫才の違いってなんなんでしょうか?

漫才が笑いとともに大切にするもの

ますます漫才とコントの間の境界線がうやむやになってきましたが、最後に起死回生を狙って仮説を提案してみます。漫才もコントも笑いを取ることを第一の目的にしているのは間違いのないところですが、漫才だけは笑いと同じくらいに大事にしている要素があるように思います。コントには皆無とは言いませんし、漫才師もある程度の経験を積まなければ、目指すためのスタートラインさえ立てないかもしれませんが。

その要素とは、全体に流れるテンポ、抑揚のようなものです。すぐれた漫才は、笑いに加えて心地よい曲を聴いたときのような満足感があります。これはコントでは決して味わえないものです。テンポを大切にする漫才師は、笑い以上に2人の間合いを気にします。何気なく見える仕草や目配り一つまで計算することで、全体の流れを絶妙に構成しているのです(もちろん、そうでない漫才だってあるんですが)。

これって漫才のルーツが音曲万歳にあるからなのかもしれません。楽器を持ってなくても歌わなくても、まっとうな漫才からはリズムやメロディさえも響いてくるものであり、さすがにこれはコントでは味わえないものだと思うのですが、いかがでしょうか?



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