中小型成長株オープンはどんなファンドか
岡三アセットマネジメントが運用する「中小型成長株オープン」、愛称「スモール・モンスターズ・ジャパン」は、相対的に時価総額が中小型規模の株式に投資を行い、投資信託財産の成長を目指して積極的な運用が行われます。また、新興市場の株式に積極的に投資されることもある日本株ファンドです。運用のポイントを一言で言えば「選択と集中」です。交付目論見書によれば、最終的な組入銘柄数は30銘柄程度まで絞り込むことです。銘柄選択にあたっては、高い技術力、優れた商品開発力、特徴のあるビジネスモデル、事業構造の改革などにより、飛躍的な成長が期待できる企業を選別します。その後、業界動向、投資環境等を勘案し、バリュエーションを重視してポートフォリオは構築されていきます。
時価総額が中小型規模の株式が投資対象ですが、私たちが思い浮かべる新興市場の成長株だけではなく、東証1部や同2部などの老舗企業でも、事業改革などが優れていれば投資対象としています。
6月の急騰を上手く捉え良好なスタート
2014年3月10日に運用が開始された岡三アセットマネジメントの「中小型成長株オープン」。運用が開始されてから約4月経過しました。運用開始時には参考指数である日経JASDAQ平均株価をやや下回っていましたが、6月末基準のマンスリーレポートによれば、同指数を2.83%アウトパフォームしている状況となりました。純資産総額は4.1億円と少ないものの、組入銘柄数は交付目論見書にうたわれている30銘柄です。市場別の組入比率は、東証1部=57.5%、同2部=6.6%、ジャスダック=28%、マザーズ=4.2%となっています。
運用が開始されて3ヵ月分のマンスリーレポートが作成されていますが、組入上位10銘柄は意外と入れかわっているようです。4月末から5月末までの1ヵ月間で4銘柄が、5月末から6月末は2銘柄が入れかわっていることがわかります。
6月末基準のマンスリーレポートの運用経過によれば、同月は積極的に銘柄の入れ替えを行ったと記載されています。短期間で急騰したじげん、ハピネットの2銘柄、増益モメンタムの鈍化を懸念して共和電業などを売却したようです。
じげんは5月21日にザラバ636円が、6月3日には同1413円まで122%も急騰、ハピネットは4月16日のザラバ806円が、6月10日には同1773円まで120%も急騰しています。ハピネットは7月8日に1988円まで上昇しましたが、じげんは6月の高値を抜いていません。2銘柄とも購入価格は記載されていませんので、どの位の利益を確保したのかは定かではありません。ただ組入れ上位銘柄が頻繁に変わっていることから推測すると、着実に利益を確定して収益を積み上げていく投資スタイルなのでしょう。
愛称のスモール・モンスターズ・ジャパンからは、大化け株を発掘するイメージを持っていましたが、短期急騰した場合には確実に利益を確保する投資スタイルからは、投資信託事態がモンスターのような好成績を確保していくイメージなのかもしれません。また、積極的に銘柄の入れ替えを行っていることから、売買回転率を高めて収益を積み上げていく運用スタイルなのかもしれません。
もちろん、運用が開始されてから約4ヵ月しか経っていませんので、これからモンスターのように大化けする株が現れるのかもしれませんが。
今後も要チェックの日本株ファンドと言えそうです。