2014年に開催される「ビエンナーレ」「トリエンナーレ」を紹介しながら、いったい何なのか、いまなぜ「ビエンナーレ」「トリエンナーレ」が多いのか、考えていきましょう。
そもそも「ビエンナーレ」「トリエンナーレ」とは?
私が以前、大学で講義をするために調べた際、「ビエンナーレ」「トリエンナーレ」という言葉が最初につかわれたのは、イタリアの「ヴェネツィア・ビエンナーレ(La Biennale di Venezia)」でした。この「ヴェネツィア・ビエンナーレ」は、ひとつの会場にたくさんの作品が置かれている“のではなく”、世界各国の建物(パビリオン)があり、そこで選出されたアーティストが展覧会を開く形式を取っています。美術の展覧会をする年と、建築の展覧会をする年が交互にあります。つまり「日本館」という建物があり、今年は建築展の年で「現代建築の倉」というテーマの展覧会が行われています。来年は美術展の年で塩田千春というアーティストが展覧会を開くことになっています。ビエンナーレのビエンとはイタリア語で「2」という意味。2年に一回=「ビエンナーレ」、3年に一回=「トリエンナーレ」、語源であるイタリア語で呼ばれています。
ふと私は「なぜ2年に一回なのだろう?」と思い、この「ヴェネツィア・ビエンナーレ」の事務局へ問い合わせのメールをしました。しかし「100年以上歴史があるので、昔からです」とのお答え。展覧会を企画し、実現するまでは時間が掛かるものなので、2年に一回にするのかもしれませんね。
今年注目のビエンナーレ・トリエンナーレ!
ヨコハマトリエンナーレ2014
2014年8月1日(金)~11月3日(月・祝)
横浜美術館、新港ピア(新港ふ頭展示施設)ほか
今年8月1日からスタートする「ヨコハマトリエンナーレ2014」。東京からも行きやすい、横浜美術館、新港ピア(新港ふ頭展示施設)などの会場は、巡りながら「物語」が繰り広げられていくような流れになっています。どうしてこういう構成かというと、アーティストの森村泰昌を、この「ヨコハマトリエンナーレ2014」のアーティスティック・ディレクターとして起用したから。「アート作品」で仕立てられた2つの序章と11の挿話を味わうことで、私たちにはなぜ芸術が必要なのか、一体私たちは何なのか、を考えさせてくれますよ!