医療保険の付帯サービス、活用していますか?
お話を伺ったティーペックの砂原社長
しかし、実際にこの付帯サービスを利用している人はまだまだ少ないようです。サービスの現状や賢い使い方等について、業界最大手ティーペックの砂原健市社長に話を伺ってきました。
※健康相談等のサービスを行っている会社は10社ほどあり、サービス内容が異なる場合もありますが、ここではティーペックが行っている内容について取り上げます。サービスの詳細等については、実際に利用する付帯サービスの会社へ確認して下さい。
利用者は男性50~60歳代、女性30~40歳代がメイン
ティーペックが提供しているサービスは、主に下記の3つがあります。1. セカンドオピニオンサービス
ヘルスカウンセラーによる相談と手配、面談によるセカンドオピニオン(必要に応じて優秀専門臨床医の紹介)
2. 24時間電話健康相談サービス
健康相談、医療相談、介護相談、育児相談、メンタルヘルスの相談
3. 医療関連情報提供サービス
医療機関情報の提供、専門医療情報の提供
ティーペックでは付帯サービスの利用者像について、どの様な年齢層の人が多いのかや電話の多い時間帯等の統計をとっています。
「セカンドオピニオンサービスの利用者は男女で違いがあり、男性は50~60歳代、女性は30~40歳代が中心です。健康相談の利用者は、30歳代前後の女性が特に多く、主婦の方から子ども、おもに幼児に関して相談を受けることも多いです。利用時間帯は、午前9~10時頃と午後7~8時頃に集中しています」(砂原社長、以下同)
セカンドオピニオンサービス利用者はがん患者が多い
セカンドオピニオンサービスの利用者を傷病別に見てみると、がん患者が半数にもなるとのこと。ティーペックではその理由をこのように分析しています。「特に乳がんは、利用者の傷病名で最も多くなっています。がんの治療方法は多様化しており、さらに医療格差があること等も影響していると思われます。がん診療連携拠点病院は全国に400拠点くらいありますが、治療実施件数が年間8000件(乳がんだけでも1500件)のようなところもあれば、年間10件程度しかないようなところもあります。これだけ実施件数に差があれば、どうしても設備や技量に差が出てしまいます」
がんの治療方法が多様化していることは患者にとってのぞましいものの、選択肢が複数あることで患者側に迷いが生じていることも考えられます。セカンドオピニオンサービスを利用して他の医師の意見を聞きたいという要望はかなり多いのではないでしょうか。
また、医師からがんと宣告されると、2週間以内に約6分の1の人が鬱状態になり、自殺する割合は一般の人の20倍にもなるというデータもあります。セカンドオピニオンのサービスも大事ですが、治療以前の患者の精神的サポートも、ティーペックにとって重要な役割と言えそうです。
電話相談のおかげで終末期を自分らしく生きることができた利用者も
砂原社長に、今までで強く印象に残っている相談について聞いてみました。「30歳代の乳がん患者の方からの相談です。『毎晩のようにティーペックに電話し、わからないことを確認したり、わかってほししいことを聞いてもらったりしたことで、無知の恐怖から解放され、終末期を自分らしく生きることができた』とご主人からお礼の手紙がありました」
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