ケニアで人気のビール、タスカー
ケニアにはビールの銘柄が少なく、輸入品を含めても10種ほどしかありませんが、そんな中で老舗のビールがタスカー。ケニアでNo.1のシェアを誇る人気のビールです。ビールの代名詞にもなっているほどで、「ビール」と注文すれば、ほぼタスカーが出てくるでしょう。炭酸がキリっとしていて、味はややさっぱりめ。ほど良い渋みとキレで、日本人にも飲みやすいビールです。見渡す限りの大平原、アフリカの大空の下で乾いた喉に「ぐびっ」と流し込む瞬間は爽快!サバンナのロッジでは、昼間から「タスカー」という人も少なくないのです。
アルコール度数は4.2%ですが、サバンナは標高が高いので、お酒のまわりが早いことをお忘れなく!
名の由来は、牙を持つアフリカの王者
タスカーという聞きなれない名の語源は、英語のTusk(牙)からきています。Tuskerは牙を持つ者。つまりアフリカゾウのことなのです。このビールを生み出したのは英国植民地時代のイギリス人兄弟で、そのお兄さんが狩猟でゾウを追っていたとき、怒ったゾウに襲われ牙で殺されてしまったのだそうです。その反省を込めてか、自然に対する畏怖を込めてか、タスカーと名付けられたといわれています。ラベルももちろんアフリカゾウ。現在のラベルはデザイン化されたかわいいゾウですが、以前はリアルなゾウが牙を向いていました。
ケニアでおいしいビールを飲むコツ
ケニアでビールをおいしく味わうために、ひとつ覚えておかなくてはならないことがあります。実はケニアでは昔から、「冷たい食べ物は体に悪い」とされており、ビールもジュースも冷やさずに飲むのです。長いこと電力事情が良くなかったという、物理的な事情もあるのかもしれませんが、とにかくビールも冷やさないのが普通。だから注文するときはあえて、「冷たいビール!」と頼まなくては、生ぬるいビールが出てくるかもしれません。
キンキンに冷えたおいしいビールを飲むために、注文するときは、「Cold Tusker」またはスワヒリ語で 「Tusker Baridi(バリディ)」と注文しましょう。
海外からの観光客が多く集まるロッジでは、近年冷たいビールが提供されるようになってきましたが、街のレストランでは今でも生ぬるいのが普通です。ビール好きは、「Tusker Baridi」というスワヒリ語を覚えておきましょう。