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日本の中小型株と金鉱株投信が上位を占める

2014年6月の日本株は5月に引き続き月足が陽線となりました。日経平均株価の年初来の上昇率は依然としてマイナスのままですが、投資信託の騰落率では好成績をあげるものが増えています。投資資金の流出入を含め、6月の投資信託の概況を見てみることにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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低迷していた資産が復活

2014年6月の全投資信託の騰落率を一言で表せば、低迷あるいは軟調に推移していた投資対象の復活と言える1ヵ月だった気がしてなりません。ETFまで含めれば、騰落率のベスト20は金鉱株ファンドと日本株ファンドでランキングが占められているからです。具体的に見ていくことにしましょう。

2014年6月の純資産総額10億円以上、確定拠出年金(DC)専用、ラップ口座(SMA)専用を除いた全投資信託の騰落率第1位は、ブラックロック・ジャパンが運用する「ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンBコース」。

騰落率は13.32%でした。ブラックロック・ジャパンが運用する金鉱株ファンドは、第3位に騰落率12.98%「ブラックロック・ゴールド・ファンド」が、第7位に騰落率12.28%「ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコース」がランクインしています。

ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンは、Bコースが為替ヘッジなし、Aコースが為替ヘッジありとなっています。運用会社が何度か変わっているものの、わが国で最も古い金鉱株ファンドです。地政学リスクを背景に、6月中旬頃に金価格が急騰。金価格が下落する事なく、6月末を迎えたことが金鉱株ファンド好成績の要因と思われます。

金鉱株ファンドを除くと残りは全て日本株を投資対象とするファンド。騰落率13.18%と1位にわずかに及ばなかったのが、ドイチェ・アセット・マネジメントが運用する「エンジェル・ファンド」です。同ファンドは、企業の創業期から成長期へ変化していく、成長著しい初期段階にある企業を主な投資対象としています。

第4位には騰落率12.77%、SBIアセットマネジメントが運用する「SBI小型成長株ファンド」です。同ファンドは、新規株式公開3年以内のうち、時代を拓く革新高成長企業に厳選投資されます。

騰落率第1位から7位までの投資信託の運用成績は、1%という差の中にひしめいている僅差の状況でした。日本株は中小型株を投資対象としているファンドが中心で、騰落率10位以下にはJPモルガン・アセット・マネジメントが運用する「JPMザ・ジャパン」や「JPM・E-フロンティア・オープン」などの久しぶりのファンドがランクインしています。

ちなみに、ETFを含めれば第1位は、シンプレクス・アセット・マネジメントが運用する「マザーズ・コア上場投信」で、騰落率は19.81%でした。中小型株が活況のときには、頻繁に騰落率ランキングの上位に顔を出すETFです。

グロソブの資金流出は鈍化傾向

2014年6月の投資資金の流出入額を見てみることにしましょう。資金流出では、国際投信投資顧問が運用する「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)が流出額トップからやっと開放されました。それでも220億円もの資金流出があったことを考えると、投資家のグロソブ離れに終止符が打たれるには、依然として時間がかかると思われてなりません。

資金流出が291億円と最も多かったのは、大和証券投資信託委託が運用する「ブラジル・ボンド・オープン」です。四捨五入の関係で2位も同額流出の、JPモルガン・アセット・マネジメントが運用する「日興JPM環太平洋ディカバリー・ファンド」です。ブラジル・ボンド・オープンは分配金を引き下げた影響を引きずっていると考えられます。

その他、資金流出ファンドでは通貨選択型の「ブラジルレアル」が目立っています。サッカーW杯の開催前のデモなどがいやけされたのかもしれません。また、日経平均株価に連動するインデックスファンドも資金流出の上位15ファンドに2本入っています。5月下旬から日経平均株価が上昇したことから、利益確定の売りが出たのかもしれません。

一方、資金流入額の上位の顔ぶれにやや変化があったようです。純資産総額第2位の新光投信が運用する「新光US-REITオープン」は第8位に甘んじているのです。ただ、資金流入額は305億円もあることから、他のファンドへの資金流入が好調だったようです。

第1位は、資金流入額1097億円と2ヵ月連続して1000億円超の野村アセットマネジメントが運用する「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)」です。

第2位は新規設定のファンドで、三井住友アセットマネジメントが運用する「日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド(ヘッジなし)」の533億円でした。

3位は2014年2月から連続してじわじわランクをあげているファンドで、アムンディ・ジャパンが運用する「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(トルコリラコース)」です。資金流入額は441億円ですが、このファンドは1万口当たり250円の分配金を出していることから、もしかしたら再び高分配型投信へ投資家の関心が向かったのかもしれません。
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