介護/床ずれ・褥瘡対策

床ずれは介護と食事で防げます! 治せます!

床ずれ(褥瘡:じょくそう)は高齢者の身体変化に伴う大きな問題です。以前は、病院や介護施設等で床ずれができて、看護師の責任問題にまで発展したケースもあります。それはなぜか? 床ずれは適切な介護ケアで予防・治療することができるからです。そして、床ずれを予防・治療するための縁の下の力持ちは、やはり「食事」です。床ずれ対策の適切な介護ケアと食事について説明します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

床ずれって何?

高齢女性を介護する看護師

床ずれは見ているだけで痛々しくつらい気持ちになります。しかも、気づかないうちに進行しがちな床ずれですが、実は上手にケアすれば介護者の手で予防も治療もできます。

床ずれ(褥瘡:じょくそう)は寝たきり等のお年寄りが転んだわけでもないのに、皮膚が損傷してしまう状態です。床ずれ自体は、さほど痛みはないと言われています。しかし、その治療時に痛みを伴うこともありますし、あまりにも見た目が痛々しいので、介護をしている家族は心を痛めることが多いようです(本当に痛々しいので、記事内での写真の掲載は控えます。どうしても見たい方は「褥瘡」で画像検索してください)

実際に病院等でも「すでに最悪の事態への覚悟はできています。でも、床ずれだけは見ていてつらいので、何とかしてください」というご家族の声は多いものです。


どうして床ずれができるの?

床ずれができてしまうメカニズムについて簡単にお話します。

お年寄りの身体は動きが鈍くなっています。寝たきり、車椅子生活などということも起こってきます。これらの場合、身体の同じ場所に圧力がかかってしまいます。「私は何時間寝ていても床ずれなんて起こらないのにどうして? 」と思われるかもれませんが、普通に身体が動く状態であれば、寝ている時は「寝返り」をしますし、長時間椅子に座った状態でいたとしても、「座りなおし」をするなどして圧力を分散させているのです。

ところが、身動きのとりにくくなってしまったお年寄りは「寝返り」や「座りなおし」ができず、圧力がかかり続けます。するとどうなるのか、ご想像のとおり。私たちが長時間、正座をし続けたときと同じように、血流が悪くなり、しびれるだけでなく、弱くなっている皮膚が破れ、傷になってしまうのです。これが一瞬のことであれば、軽い擦り傷(実際には赤くなる)だけで済みますが、皮膚が赤くなった程度で異変に気づくことはなかなか難しく、いつものように生活していたはずが、気がつくと皮膚が破れて床ずれになってしまうのです。

そんな床ずれに対する対処方法は3つ。「分圧(圧力を1箇所に集中させない)」「清潔」「栄養」です。この3つを考えることで、床ずれの発生率は格段に減らすことができます。


床ずれを防ぐために介護する時にできること

床ずれに対する対処方法のうち、「分圧」と「清潔」は介護をする人が気をつけることで対処します。
  • 分圧
こまめに体位交換(寝ている体勢や座り方を直す)を行うことで対処します。患者様の状態にもよりますが、2~4時間ごとに体位交換をしている施設が多いと思います。また、ベッドのシーツや車椅子のしわに少しずつ擦れることで床ずれが発生するケースもあるようです。ベッドシーツはしっかり伸ばしてからお年寄りに寝てもらうようにしてください。同様に、リクライニングベッドなどで頭を起こす際に、身体がずり落ちることで褥瘡になることも多いようです。
  • 清潔
汗や尿・便などで皮膚が汚れたりふやけたりした状態は、皮膚が簡単に破れやすくなっています。逆に、乾燥している場合も皮膚が弱く薄くなっていますので、皮膚が簡単に破れて床ずれになってしまいます。また、床ずれになってしまった部位に関しても、清潔に保つことで薬の浸透がよくなり、治りが早くなります。身体は常に清潔に保つようにして下さい。

これら2点は床ずれのケアとして有名です。そのため「床ずれは看護の恥」と言われた時代もあったのです。しかし、本当はこれだけでは床ずれを完全に予防・治療することはできません。

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