床ずれって何?
床ずれは見ているだけで痛々しくつらい気持ちになります。しかも、気づかないうちに進行しがちな床ずれですが、実は上手にケアすれば介護者の手で予防も治療もできます。
実際に病院等でも「すでに最悪の事態への覚悟はできています。でも、床ずれだけは見ていてつらいので、何とかしてください」というご家族の声は多いものです。
どうして床ずれができるの?
床ずれができてしまうメカニズムについて簡単にお話します。お年寄りの身体は動きが鈍くなっています。寝たきり、車椅子生活などということも起こってきます。これらの場合、身体の同じ場所に圧力がかかってしまいます。「私は何時間寝ていても床ずれなんて起こらないのにどうして? 」と思われるかもれませんが、普通に身体が動く状態であれば、寝ている時は「寝返り」をしますし、長時間椅子に座った状態でいたとしても、「座りなおし」をするなどして圧力を分散させているのです。
ところが、身動きのとりにくくなってしまったお年寄りは「寝返り」や「座りなおし」ができず、圧力がかかり続けます。するとどうなるのか、ご想像のとおり。私たちが長時間、正座をし続けたときと同じように、血流が悪くなり、しびれるだけでなく、弱くなっている皮膚が破れ、傷になってしまうのです。これが一瞬のことであれば、軽い擦り傷(実際には赤くなる)だけで済みますが、皮膚が赤くなった程度で異変に気づくことはなかなか難しく、いつものように生活していたはずが、気がつくと皮膚が破れて床ずれになってしまうのです。
そんな床ずれに対する対処方法は3つ。「分圧(圧力を1箇所に集中させない)」「清潔」「栄養」です。この3つを考えることで、床ずれの発生率は格段に減らすことができます。
床ずれを防ぐために介護する時にできること
床ずれに対する対処方法のうち、「分圧」と「清潔」は介護をする人が気をつけることで対処します。- 分圧
- 清潔
これら2点は床ずれのケアとして有名です。そのため「床ずれは看護の恥」と言われた時代もあったのです。しかし、本当はこれだけでは床ずれを完全に予防・治療することはできません。