ルール1: 極端な人間が登場する
激昂する人、傲慢な人、自由奔放な人、非常識な人、自己顕示欲の強い人などなど、極端な個性が目白押しの昼ドラ。短い時間に「えぇっ!」と思わせるとんでもないシーンを毎回体験できるのも昼ドラならではです。
登場人物は、固執する感情を24時間持続させる生命力の持ち主で、感情の切り替えが恐ろしくヘタ。負の感情の持久力が尋常ではないため、事件が絶えないわけですね。
ルール2:登場人物が少ない
昼ドラの多くは、限られた人間関係の中で物語が進行します。ローテーション化された会話は A⇔B、B⇔C、C⇔A、つまり主人公⇔恋人、恋人⇔恋敵、恋敵⇔主人公という感じで、広がりを見せません。世界が狭いため、発言内容はすぐに誰かの耳に入り、すぐに事件が起きます。そして狭い世界の濃密な関係は案の定、何もかもをこじらせてしまいます。ルール3:設定場面が少ない
例えば、2008年に放送された『愛讐のロメラ』の舞台は病院ですが、患者、病室、看護師そして事務職員はほとんど登場しません。物語は病院内の自販機のある休憩室で展開していきます。時に悪夢が生じる魔の休憩室。利用しなければいいのに、登場人物がなぜか訪れる空間です。
登場人物と設定場面が限られているなかで、起承転結が進みます。狭い場所での酸欠ぎみな日々が人々を狂わせていくのかもしれません。60分番組にしてしまうと、こちらも酸欠になりそうです。従って昼ドラは30分の連続ドラマでいいのです。
ルール4. 文豪作品的な会話が延々続く
「僕は恨むことで生を確認しているのだ」「いぃや、償うこと以外道はないのだ」
「君に僕の何がわかると言うのだ!」
「あら、もうお帰りになって、よくってよ」
「まぁ、驚いたこと」
「こんな風に話したことないぞ」という言葉を真顔で平然と発し続ける登場人物は、まるで異次元空間の違う時代を生きているかのようです。力いっぱい呼びかけ合い、感情をぶつけ合う人たち。その壮大な会話に対して、なんとも簡易なつくり(ルール3と4参照)の昼ドラ。このチグハグ感も魅力のひとつと言えそうです。
ルール5:誰がイヤな人間かすぐ想像できる
基本的に昼ドラには謎解き要素がありません。人物は見ての通りです。わがまま、身勝手、強欲といった人間の闇を隠し持つことなく、全面的に押し出してくる登場人物は、ある意味気持ちいいくらい素直な存在かもしれません。自分の感情に正直すぎるくらいに正直に生きるのが昼ドラの住人です。