ディズニー映画では初となる”Wヒロイン”制を採用した本作。日本版で吹き替えを担当しているのは神田沙也加さん(アナ)と松たか子さん(エルサ)のお2人ですが、この2人のヒロインにちょこっと意外な「過去」があるのをご存知でしょうか?
アイドルから読モ、そして舞台の世界へ
神田沙也加
実は20作以上の舞台で活躍
アナ役の神田沙也加さんは1986年生まれの27歳。スーパーアイドル・松田聖子さんの長女で2001年5月にSAYAKA名義でアイドルとしてデビュー。ドラマや映画、CM等で活躍していたものの2005年に活動停止を発表し、その後はLilyという名前でロリータ雑誌の読者モデルをしたり(これも驚き!)、上原純というペンネームで松田聖子さんの曲の作詞・作曲を担当したりと、それまでの活動から大きくシフトチェンジ。ある種、裏方に回っていた彼女が再びプレイヤーとして人前に立つきっかけになったのが実は”舞台”だったのです。
その舞台とは2006年に日生劇場で上演された大地真央さん主演の『紫式部ものがたり』。この作品で中宮彰子を演じた神田さんはその後も数多くの舞台に出演。『レ・ミゼラブル』のコゼットや『赤毛のアン』のアン、『ピーターパン』のウェンディ等、2014年までにミュージカルからストレートプレイまで20本以上の作品で様々な役を演じています。
ガイドが特に印象的だったのは2007年と2009年に新国立劇場で上演された『夏の夜の夢』。『レ・ミゼラブル』オリジナル版の演出家 ジョン・ケアード氏が演出した本作はシェイクスピアの喜劇ですが、神田さんはこの中で「豆の精」というアンサンブル的な役を演じていました。ジョン・ケアード氏の厳しいオーデションがあったとはいえ、二世アイドルとして常に華やかな場所にいた彼女がヒロイン枠のハーミアやヘレナではなく、「豆の精」という役で出ていたのも驚きでしたし、澄んだ美しい声でシェイクスピアの特徴的な台詞をきっちり自分のものとして喋る姿にも強く打たれました。この後彼女は本格的に舞台での活動を始め、様々な役をオーディションで勝ち取っていく事になります。
『ひめゆり』 7月17日(木)~7月22日(火)シアター1010
『アナと雪の女王』ではただ可憐な少女を演じるのではなく、アナの芯の強さやコミカルな面も見事に表現していた神田さん。歌入れも含め、3日で全てのスタジオ収録を終了させた事からも彼女のポテンシャルの高さが伺えます。更に音楽ユニット TRUSTRICKをギターのBillyさんと結成してライブハウス等での活動を行いつつ、沖縄戦の中で懸命に生き抜こうとする少女たちを描いたミュージカル『ひめゆり』では主演を務め、秋にはチュンソフトのゲームをモチーフにした舞台『ダンガンロンパ THE STAGE』で自身の推しキャラ・江ノ島盾子を演じるというジャンルを選ばない活躍ぶり……もう「松田聖子の娘」という枠は完全に脱ぎ捨てたのではないでしょうか。
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