ビデオカメラも4K時代!知っておきたい4Kのこと
キヤノンの4kビデオカメラ「EOS C500」? いま、映像の世界では、「4K」が話題になっています。巷でも、4Kテレビが話題になっているので、4Kという言葉、一度は耳にしたことがあるでしょう。この4K、「ヨンケイ」と読みますが、その意味となると、なかなかわからないものです。デジタルビデオカメラでも、エンドユーザー向けの4k対応ビデオカメラが登場しています。そこで、今回は、この4Kについて覗いてみたいと思います。まず、4Kの「K」ですが、これは「1000」という意味です。したがって、4Kというのは「4000」ということですね。では、この4000が何なのかですが、これは「解像度」のことです。ここでは、簡単に理解するために、とりあえずテレビや映像データの画面の大きさと考えておきましょう。
現在のビデオカメラでは、フルハイビジョンという規格が主流です。この映像のフレームサイズ、すなわち映像の大きさは、1920×1080という大きさです。これは、横に1920個の画素、縦に1080個の画素を並べて画面を構成しているということで、「解像度:1920×1080」ということになります。
4Kなのに4Kじゃない!?
では、4Kの映像の解像度はというと、次の数字になります。ただし、4Kの解像度は、映像データとテレビとでは異なります。4K映像の解像度 :4096(横)×2160(縦)
4Kテレビの解像度:3840(横)×2160(縦)
(※4Kの縦横の画素数から、「4K2K」と呼ぶこともあります。)
おや? と思われましたね。映像とテレビでは、サイズが違う。そうなのですね。
そもそも、4Kというのは、アメリカの映画業界がデジタル映画の規格を策定するために、DCI(Digital Cinema Initiatives)という業界団体が定めた解像度なのです。したがって、映像の解像度は「4096×2160」であり、アスペクト比は「1.90:1」(約17:9)なのです。
では、テレビの4K解像度はというと、横の解像度は4000に満たないので、正確には4Kではありません。したがって、これをUHD (Ultra HD)と呼ぶこともあります。テレビの解像度は、フルハイビジョンの「1920×1080」をそれぞれ2倍にした、「3840×2160」で、アスペクト比は「16:9」なのです。アスペクト比というのは、映像の縦横の比率のことで、フルハイビジョンも「16:9」です。
正確には4Kではないのですが、日本では、双方をひっくるめて4Kと呼んでいます。その点、ちょっと注意が必要でしょう。
なんで4Kが必要なの?
それでは、なぜ4Kが注目され、4Kが必要なのでしょうか。フルハイビジョンが登場したとき、こんなにきれいで詳細な映像が見られるなら、もう十分満足と感じたのは、筆者だけではないでしょう。しかも、フルハイビジョンの画素数は、1920×1080=2073600画素なのに対して、4Kは4096×2160=8847360画素。なんと、実に4倍の画素数なのです。フルハイビジョンの4倍の画素数は、これまで以上のリアリティある自然な状態で映像が楽しめるということなのです。強いていえば、「映像の中の世界」ではなく、「本当の自然をそこで見ることができる」というリアリティがあるのです。だからこそ、話題性に乏しいテレビ業界も、4Kのリアリティに飛びついているというわけなのです。
4Kとハイビジョンの解像度比較
- 4K:4096×2160
- Full HD:フルハイビジョン(1920×1080)
- SD:標準画質(720×480)
それだけじゃなかった!
実は、リアリティの追求はそれだけではなかったのです。最終的には、「8K」という解像度を実現する予定なのです。これは、放送局や総務省など民間と国が一緒になって推進しているのです。すなわち、4Kも通過点なのです。その8Kですが、これを「スーパーハイビジョン」と呼んでおり、解像度は次のようなものです。
8K(スーパーハイビジョン);7680(横)×4320(縦) アスペクト比:16:9
解像度はフルハイビジョンの16倍になるのですから、とんでもないリアリティの世界なわけでです。もちろん、テレビの解像度での話しですが。それにしても、とてつもなく高解像度で詳細な映像の世界がやってくるわけですね。
なお、総務省のロードマップは、次のよう描かれているようです。
2014年 ブラジル・ワールドカップ 4Kに注目を集める
2016年 リオデジャネイロ・オリンピック 8Kに注目を集める
2020年 東京オリンピック 4K/8K放送を実現
しかし、どうなんでしょうね。2014年のブラジル・ワールドカップは、盛り上がる前に終わってしまいましたし、あまり4Kという言葉も耳にしませんでしたね。
4K対応のビデオカメラ
現在、4K対応のビデオカメラはほとんどがプロ仕様で、エンドユーザー向けの製品がほとんどありませんでした。しかし、ソニーから「FDR-AX100」が登場し、4kビデオカメラもグッと身近なものになりました。またレビューはしておりませんが、近々、レビューして情報をお届けしたいと考えております。
ソニーの4Kビデオカメラ「FDR-AX100」
161,298円(価格.com)
キヤノンの4kビデオカメラ「EOS C500」
オープン価格(参考価格:本体のみ約92万円)
いずれにしても、今後は4kという言葉が飛び交うはずです。そのとき、本記事を思い出して、4kってあれのことかぁ、と思っていただければ幸いです。