カギやカードキーを持たなくても、指だけ差し込めば誰が帰ってきたかわかる--そんな血流認証技術を使ったスマートハウスが登場しそうです。指紋認証よりも複製が難しく、将来的には「帰ってきた人」に合わせて照明やエアコンも制御できるという未来的な事例を紹介します。

業界初の血流認証スマートハウス

報道発表

日本工学院で行われた報道発表

ヤマダ・エルバイエルホームとバイオニクス、日本工学院はスマートハウスの更なる可能性に向け、血流認証技術を活用した業界初の次世代住宅制御システム「Fin-Key(フィンキー、Finger Key System)」を開発、発表しました。

この血流認証技術は人物識別機器やソフトウェアを開発する「バイオニクス株式会社」が10年来開発してきたもので、既にマンションや金融機関・大企業サーバールーム等にも導入されているとのことですが、戸建住宅用のHEMS(Home Energy Management System)と連携させて個人認証するシステム開発は「日本初」(バイオニクス社長)とのこと。
イメージ図

血流センサーと住宅HEMSの連携イメージ図

バイオメトリクスとは、人が生まれながらにもつ生物学的特徴を個人識別にする技術のこと。住宅分野でも顔や指紋認証などの生体認証技術を使った例はありましたが、指紋は偽造されやすくケガなどで変形したするリスクり、顔や虹彩は処理装置が大型になるなどの欠点がありました。血流は指紋など数ある生体認証技術の中でも偽造や複製が困難で、装置も小型化が可能な「静脈」に着目し、血管の計上をパターン抽出して画像で個人識別するシステムだとしています。

血流は指紋認証より偽造困難

デモ

デモンストレーションでは指を指すと照明がつき、「○○さんお帰りなさい」というメッセージが流れた

具体的には玄関にある認証ボックスに指を入れるだけで開錠するものですが、この認証タイムはわずか数秒。「家族のだれかが帰ってきたことが分かる」ではなく「パパ」「ママ」「お兄ちゃん」の誰が帰ってきたことまでわかるのが血流認証のポイント。登録血流パターンはデータベースによって登録され、毎回、認証照合を実行します。また指紋認証と違い、使用前に液体せっけんで手の汚れを落とさなくても、血流は読み取れるのだとか。

既に企業・重要施設等の分野では不法侵入が社会問題化する中で「血流認証」が注目され、企業や自治体のデータセンター等でも導入されてきましたが、住宅への導入はまた別のメリットがありそうです。防犯性を高めることができることはもちろん、例えば、鍵やカードキーを持たなくてもよくなる点。ある調査によると、日本人男性の5人に1人、女性の4人に1人がカギの紛失経験があり、男性のほとんどがカギをポケットに、女性のほとんどがバッグに入れるそう。

住宅HEMSと連携させることで、まだまだ驚きの性能があるようです。