これは何のマークでしょう!?
<<<これらは何を示すマークでしょう?>>>
これは、2016年12月1日から使われることになる『洗濯絵表示』です。
意味は左上から、
「脱水後、日陰の平干し乾燥がよい」
「酸素系漂白剤による漂白はできるが塩素系漂白剤による漂白処理はできない」
「洗濯処理ができる」
「洗濯後のタンブル乾燥ができる。高温乾燥:排気温度の上限は80℃」
「(ドライクリーニング専門店への情報)通常の処理」
「ウェットクリーニングができる。非常に弱い処理」。
と、なります。
これまでの絵表示に慣れている人にとっては「暗号か!?」なんて思いそうですが、こちら2014年10月に公示された新JIS(*1)規格による洗濯絵表示。ガイドも「なんだこれは?こんなに変わってはみんな困るではありませんか!?」と感じ、管轄の経済産業省に問い合わせてみたところ、「慣れていただくしかない」というお答え。
今回の改正をよく調べてみると、日本独特の絵表示と世界との隔たりがあまりに大きいため再三にわたり海外からの要請があったのだそうです。何年にもわたる交渉の結果、やっと日本の特性も含めた内容での整合化に至ったのが、今回の洗濯絵表示。交渉を重ねた末の賜物だったのですね。
そしてこの新表示も、よく見ると「いくつかのコツ」を押さえさえすれば簡単に覚えられます。世界の流れに乗り遅れないよう、今からツボをおさえましょう!
新洗濯表示マークの大きな変化
マークの基本的な考え方の変化は、これまでの「こう洗濯するのがよい」という意味から「これを限度に洗濯する」という上限を示す意味合いになったことです。それをふまえ、形や点、線の組み合わせの変化としくみを見ていきましょう。
【1】 四角い洗濯機マークが無くなり、全て『たらいマーク』に統一。
【2】 手洗いマークは現在「洗濯機は不可」の意味だが、「手洗いができる(洗濯機もOK)」の意味に。
【3】 「家庭での水洗い不可」マークは、「洗濯処理はできない」という意味に変わる。
【4】 四角マークは「乾燥」「干し方」を意味し、ハンガーマークは無くなる【5】 塩素系漂白剤関連の表示はビーカーの形が無くなり、三角であらわされる
このように、洗濯表示の「形」がまず変わります。さらに「棒」や「点」の数により、洗濯や乾燥の強弱や細かい種類が示されることになります。
覚えるべきポイント1『形の意味』
それでは「形」をもう少し具体的に覚えましょう。左から「洗濯」「漂白」「乾燥」「クリーニング」に関する絵表示
これに加えて、アイロンマークを覚えておけば基本の形は大丈夫!
すべて「水温30℃を限度に」、「洗濯機で通常の洗濯処理ができる」「洗濯機で弱い洗濯処理ができる」「洗濯機で非常に弱い洗濯処理ができる」
覚えるべきポイント2 『棒の意味』
次に、「棒の意味」についてチェックしましょう【1】「横棒(-)」は基本的に、「洗濯の弱さ」を表し、本数が多いほど弱く洗うことになります。
縦棒は吊り干し・横棒は平干し・アイロンは点が多いほど高温設定となる
棒の向きが服の向きを示していると想像すると、覚えやすいです。棒が2本なら「濡れ干し」をあらわします。
覚えるべきポイント3『点の意味』
アイロンや乾燥機の「温度」を表し、「・」の数が多いほど高温でかけると、なります。
なお、温度帯は現行よりも細かく分類され、摂氏70℃と50℃が新しく加わったり、漂白について新しく「酸素系漂白剤が使えるかどうか」も表示されます。そのため、△の中に斜線が1~3本という表示ができました。
また、これまではなかった乾燥機による乾燥(タンブル乾燥)の記号も新たに加わり、その排気温度の上限があり、点が2つなら摂氏80℃、1つなら60℃、×が付けば乾燥機禁止となります。
洗濯のやり方は本数が多いほど弱くなるというのがちょっと不思議な気もしますが、アイロンは点が多いほど高温になるのは覚えやすいですね。
メーカーや商業クリーニングの業者に向けたメッセージとしても
さらに少し変わったのは、洗濯表示をつけるメーカー等へ向けての注意喚起も含み、例えば最近、極端な例ではタオルにもドライクリーニングマークや水洗い不可マークがついているなど、マークを作る側の責任回避に傾いていた点も改善されるのではと期待されています。また商業クリーニング専門業者へ注意を伝える表示も明確になり、作る人、着る人、洗う人のすべてにとって有益なものを目指していると思えます。全てのマークはこちらに
マークの見方はこのような感じです。全ての洗濯絵表示については、「国民生活 2015-1」に詳細な説明とともに一覧表がありますので、そちらを参考にしてくださいね。
完全な移行が行われる前に、マスターしておきましょう!
【関連参考サイト】
*1 新JIS: 家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程JIS L 0001
参考:消費者庁ホームページ「家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正について」
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