建て主のSさんの家は、以前精米所を営んでいました。水車で脱穀する音がカシャ、カシャと響きわたり、近隣から「カシャノイエ」と呼ばれ親しまれていましたが、バスが通る度に家が揺れるほど老朽化していたのです。
その頃からSさんは祖父の代から古い木造の母屋と木賃アパートが建っていたこの土地に、自宅の建替えを考えていました。そこで、近くに建った吉富興産のデザイナーズ・マンションを見学したのを機に、設計者の澤口直樹さんに相談を持ちかけたのです。 そして様々な難しい条件をクリアして、2013年の末にSさん一家のコンクリート住宅が完成しました。

複雑な内部を暗示する凸凹の家


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外観
1. 二方向が道路に面した北東側の外観。写真:FOTOTECA
外観
2. 南東側の外観。上階に親世帯のバルコニーがある。ガラスの手摺に貼ったフィルムが空の色を反射して青く見えている。写真:FOTOTECA
玄関
3. 玄関は建物名のサインと集合ポストが一体感のあるデザインですっきりとまとめられている。写真:FOTOTECA
植栽
4. 北東側のコーナーに設けられた植栽。背の高いシンボルツリーはカツラ。


最寄りの駅から徒歩5分。通りに面した角地に、Sさん一家が住むコンクリートの建物が建っています。白い外壁は出窓やバルコニーで複雑に入り組み、独特な雰囲気を醸し出しています。
内部の構成は、1階に店舗が1つ、地下1階から3階がメゾネットおよびハーフメゾネットの7戸の集合住宅、3階と4階がSさん一家の暮らす二世帯住宅となっています。

◆建築データと建築家プロフィール