東京モーターショーから市販化へ
日産ジュークやホンダ・ヴェゼルの国産勢、MINIクロスオーバーやVWクロスポロに加えて、プジョー2008とルノー・キャプチャーのフランス勢に続き、フォード・エコスポーツが5月31日に登場し、とりあえずはBセグメントのSUVが出揃った感がある。なお、メルセデスのGLAクラスはサイズも価格もひとクラス上で、あとはマツダCX-3の登場待ちといったところか。
台数が多いので今回は、ガチンコのプジョー2008、ルノー・キャプチャー、そしてフォード・エコスポーツに絞りたい。なお、この3台のうちプジョー2008とルノー・キャプチャーは、昨年の東京モーターショーでジャパンプレミアを果たしている。
一見似ているようでも、走りは「三車三様」
まず、プジョー2008の魅力は、プジョーに期待するしなやかな乗り味を備えている点だろう。個人的には、プジョー406スポーツのようなスポーティでも驚くほどしなやかな「猫足」のような足を求めてしまうが、2008の乗り心地はライバルと比べるとしなやかだし、フラットライド感も十分に味わえる。気になるのが、1.2Lの直列3気筒DOHCのNAのみである点と、シングルクラッチの5速ETGの出来映えだろう。
後者から先に書くと、1-2速の変速は明らかに「ひと呼吸」あるが、3ペダルMTからの乗り替えならすぐに慣れるだろう。CVTやATしか乗ったことのない人はやはり念入りに試乗してチェックした方がいい。
82ps/118Nmの数値は、ライバルよりも明らかに不利だが、意外と粘るエンジンで街中から高速道路の上り坂で追い越しをかけるシーンでも、マニュアルモードでギヤを選べば想像以上に走ってくれる。
キャプチャーとエコスポーツの車両重量は、偶然にも1270kgと同値で、プジョー2008は100kg以上軽い1140~1160kgにとどまっているのも、走りの軽さ感につながっているはずだ。
しかし、ワインディングや高速道路の加速レーンなどでターボのありがたみを感じさせるのが、ルノー・キャプチャー。
120ps/190Nmの最高出力、最大トルクは伊達ではない。乗り心地も悪くはないが、コーナーではロールが少し大きめで、揺り返しもそれなりにくるから荷重移動を意識しないとスムーズに走れないのが少し気になるところ。
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