桐谷さんの銘柄選びは3つの基準
桐谷さんが選ぶ金券優待ベスト3
「実質利回りとは、企業が出している配当と優待の利回りを足したものですが、できれば5%以上は欲しいところですネ。そして、株の割安度をチェックするPER(株価収益率)は15倍以下、PBR(株価純資産倍率)は1倍以下が一般的に割安とされており、小さいほどグー! これらをクリアしている銘柄を選びます」
さらに桐谷さんがチェックするのが、証券会社のウェブサイトやマネー誌に掲載されている「理論株価」です。
「理論株価は、業績や財務状況から算出された、理論上の株価です。これを現在の株価と照らし合わせて、割安かどうかを確認する目安にします。証券会社のサイトや雑誌には、割安度が10段階や点数制で成績表のようになっているものも多いので、そういったものを参考にするといいですヨ」
それらを踏まえて、桐谷さんがセレクトした3銘柄がこちら!
※株価、利回り等は取材時のものです
ベスト1 あかつきフィナンシャルグループ<8737>
「あかつきフィナンシャルグループ<8737>は9月のオススメ銘柄にも入れましたが、100株で年間1000円分のクオカードがもらえます。ここをベスト1にした理由は、配当が4.86%で、クオカードを貰った場合の利回りと合わせると、7%という高利回りになるから。4万円台で株主になれるし、証券会社が出している割安度が最も高かったので、ここを選びました」ベスト2 リックコーポレーション<3147>
「岡山県を中心にホームセンターとペット店を展開している会社です。配当は1.33%と低いけれど、優待でギフト券が貰えるところがポイントが高い。金券優待というと、大抵クオカードが多いんですが、ここはVJAギフトカードという1000円券を2000円分くれるんですね。それが3.8%の利回りなので、合わせると5%を超えます。ここより利回りのいい金券優待もたくさんあるけれど、ギフトカードが貰えるところはかなり少ない。ギフトカードはクオカードが使えないようなスーパーやデパートでも使えたりするし、もちろん金券ショップでも売りやすいのが利点。ですから、ココをベスト2にしました」ベスト3 八洲電機<3153>
「八洲電機<3153>も、9月のオススメ優待で紹介した銘柄です。実質利回りは5.2%で、1000円分のクオカードがもらえます。証券会社がだしている割安度を見ても、高評価。5万円以内で株主になれるという買いやすさも魅力です」「上の3つは使い勝手や割安度などを総合して、私が選んだベスト3ですが、結局、いい優待があるとみんながこぞってその銘柄を買うから、株価がどんどん上がって割安度が下がっていくんです。だから、割安の銘柄はまだそこまで知られていない株だともいえますネ」
★桐谷さんの連載は次回に続きます!
1949年広島県出身、将棋棋士・投資家。日本テレビ系のバラエティ番組『月曜から夜ふかし』で現金を使わず、株主優待のみで生活をする姿が話題になった。現在はテレビ、雑誌、書籍などで幅広く活躍し『桐谷さんの株主優待生活』など著書多数。
取材・文/西尾英子 撮影/松本英明