地球のかけらを読み解くためのガイドブック『川原の石ころ図鑑』
基本的には拾ってはいけない石。少量を大切にしましょう! また、許可が必要なところは届け出を出すなど、大人のフォローが必要な場面も
でも、その石ころ、同じものは二つとしてありません。形や重さはもちろん、石ころを作る鉱物の組み合わせも、生まれたところも違うからです。
自然の様々な不思議を教えてくれる石ころ。お子さんと一緒に様々な石に触れながら、『川原の石ころ図鑑』で、長い長い時間をかけた地球の営みに思いをはせてみませんか。
家族みんなで楽しめる! 石ころと『川原の石ころ図鑑』の楽しみ方
『川原の石ころ図鑑』は、北海道から沖縄まで58の川原で、著者が実際に拾った石について紹介されています。現物の80%とほぼ実物大の石ころの写真のほか、採集地の川の流れやその地質についても書かれており、現在の石の状態だけでなく、その成り立ちまでも想像しやすくなっています。写真が多く分かりやすいので、小学生向けの図鑑ですが、未就学児から大人まで愛読者・愛用者が多いのも『川原の石ころ図鑑』の特徴と言えるでしょう。
たとえば小学校入学前の、気付けば石ころを握っている年齢の子どもたちは、まるで写真集のように、黙々とページをめくっていきます。かわいらしい石、色鮮やかな石、重厚な石― 石ころのたたずまいを満喫できます。
小学校低学年の子どもたちにとっては、この本は読みものだと言えるでしょう。「ケーキのように美しく、おいしそうな石」「マグマがどろどろにとけてながれたあとが、かすかについている」といった身近な表現を楽しんでいるようです。川の説明などは比較的文字が小さく内容も難しいのですが、この段階で知りたいのはとにかく石そのものについてなので、読めなくても気にならないことが多いように見受けられます。
そして、小学校中高学年ともなれば、自由研究などにもフル活用。自分でも石を採集し、この本を参考に自分なりの『川原の石ころ図鑑』を作ることもできます。石ころを、恐竜や化石と結びつけ、太古の時間を楽しめるようになってきています。
石ころ拾いだけでなく、川遊びもいい思い出に。石に絵を描いたり楽器やアクセサリーにしたり、石はいろいろな遊び方ができます。
お子さんをきっかけに石にはまってしまうお父さん・お母さんも少なくないと聞きます。巻末には、石ころ拾いに便利なグッズや参考書なども掲載されていますので、皆さんもぜひ、『川原の石ころ図鑑』を片手に、地球のかけらを探しに出かけてみてくださいね。