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住宅ローン金利はほぼボトム圏に到達か

株式市場が軟調に気味のせいか、欧米の長期金利低下を受けたのか、わが国の長期金利も低下し0.6%台を割り込みました。金利の低下=住宅ローン金利も低下と考えるのが自然かと思われますが、フラット35と民間銀行では、適用金利の引き下げで足並みを揃えていません。2014年6月の住宅ローン金利の動向を見てみましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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長期金利はさらなる低下へ

当面のボトム圏と考えられていた0.6%をあっさり割り込んだわが国の長期金利。2014年6月の住宅ローン金利の水準を最終判断する5月下旬には、2013年4月以来の0.56%まで一時期は低下してしまいました。

2014年4月の長期金利の動きは、月初の0.617%が月末には0.623%とわずかに上昇しましたが、1度も0.5%台に入ることはありませんでした。ところが、同年5月は月初の0.624%が月末には0.589%まで低下しているのです。

2014年4月は0.006%の動きですからほぼ横ばい、翌5月は0.035%の低下と下落基調を鮮明にしつつあると言っても過言ではないように思えます。株価が上昇に転じている6月に入っても0.5%台で推移しているのですから、長期金利の低位安定は、もしかしたら1段下の水準まで下がったのかもしれません。

住宅ローンを組もうと考えている人、住宅ローンの借り換えを考えている人などには朗報ですが、資金運用の面ではマイナスと言わざるを得ません。ただし、1ヵ月程度の長期金利の動きだけで判断することはできませんが。

フラット35の金利は5月と変わらず

長期金利は2014年4月よりも同年5月の方が明確に低下しているのですから、2014年6月の適用金利は5月に引き続き過去最低の更新に期待がかかりました。しかしながら、2014年6月の融資金利は5月と変わっていません。

主力である返済期間21年以上の金利は1.73%、返済期間20年以下は1.45%です。いずれも融資額90%以下に適用される金利です。フラット35を含め住宅ローン金利は市場金利に連動する形で決められますが、5月の融資金利は過去最低更新、6月の融資金利は5月と同じという動きを見ると、方向性こそ市場金利連動と言えますが、実際の金利は意図的に決められている節がある気がしてなりません。

意図的の有無にかかわらず1つ言えると思われるのは、市場金利の動きとやや異なった、言い換えれば迷走気味の金利設定をするということは、既に金利はボトム圏に達しているための動きと捉えるべきだと思われてなりません。フラット35に関しては、もはや2014年6月の金利水準からの大幅な金利低下は見込みが薄いと言えそうです。

フラット35を活用して住宅ローンの借り換えを考えている人は、実行の有無を判断する局面にあると思われてなりません。

一方、民間銀行の変動金利の金利は、2014年6月も変わっていません。短期金利連動であることから、当座預金の金利を撤廃するなどの大胆な政策変更をしない限り金利が改定されることはないでしょう。追加緩和でも変動金利の金利は動かない可能性が高いと思われます。

固定金利選択型は長期金利の低下を受け、固定期間が7年以上などの長めのものを中心に、0.05%程度適用金利は引き下げられています。主力の10年固定で大手行の金利を比較すると、みずほ銀行では1.35%、三井住友銀行は1.40%、三菱東京UFJ銀行も1.40%となっています。いずれ一定の条件を満たし、最も低い金利が適用された場合の例。

また、信託銀行の10年固定の適用金利も見ておくと、三菱東京UFJ銀行が1.13%、三井住友信託銀行が1.10%とメガバンクよりも低くなっています。三井住友信託銀行には、5年固定の金利を当初0.5%、3年固定を0.4%、2年固定を0.35%という預金金利と見間違えるようなプランもあります。

なお、固定金利選択型の金利は当初固定期間の低いものをピックアップしています。当初固定期間終了後の金利引き下げ幅などの条件は、銀行によって異なっていることには注意してください。
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