市場金利はさらなる低下へ
5月下旬から日本株は上昇基調になっていますが、債券も同時に買われていることから、長期金利は2013年4月以来の水準まで低下しています。5月下旬に0.56%を瞬間付けた長期金利は6月下旬には0.555%、7月初旬には0.55%まで低下してしまったのです。長期金利が低下した理由は様々ですが、日本だけではなく、世界的に長期金利は上がらない状況が続いています。日米欧が積極的な金融緩和を行っていることがその要因のようです。米国は日欧と比較すれば、一足早く金融政策を転換しつつありますが、買い入れ額は減少しているものの国債の買い入れを行っているのですから、金融緩和の蛇口を開けていることに変わりはないのです。
長期金利の低下は、新期で住宅ローンを組む、あるいは借り換えを考えている人には朗報ですが、預貯金、個人向け国債などの金利には良い状況とは言えません。2014年夏のキャンペーン金利も、長期金利の低下を受け、昨冬のキャンペーン同様に低金利に甘んじています。
6月のコラムよりの高い金利の定期預金が取り扱われていますが、期間が短かったり、プラスアルファの条件が課されているのが現状です。キャンペーンも中盤戦に差しかかりつつありますが、足元の金利を見ていくことにしましょう。
条件付きで4.0%の高金利が!
プラスアルファの条件があるものも、破格の金利を提示しているのが大和ネクスト銀行です。2014年6月以降に大和証券でNISA口座を開設し、同年7月1日から9月30日までに100万円を上限に新規資金で大和ネクスト銀行の1カ月、あるいは3カ月物の定期預金に預け入れると、1カ月物=4.0%、3カ月物=1.5%の金利が適用されることになります。金利を見た当初は、外貨定期預金の金利かと思いましたが、立派な円の定期預金金利です。ネックは預け入れ期間の短さです。あくまでも条件が合えば利用する価値があるという感じがしてなりません。
静岡銀行のしずぎんインターネット支店では、ウルトラ金利と銘打ったキャンペーンを行っています。3カ月物=0.5%、1年物・3年物=0.35%となっています。0.40%を超える金利がなかなか提示されないことから、0.5%の金利にそそられますが預け入れ期間が3カ月に過ぎません。せめて6カ月あれば冬のキャンペーンまで引っ張れるのにと思うのですが。取扱期間は8月29日までです。
キャンペーンではないものも、好金利を提示しているのが東京スター銀行。店頭、テレホンバンクで扱うスターワン円定期預金+(プラス)が1年物=0.4%、3年物=0.5%となっています。また、預入期間1週間のスターワン1週間円預金は0.3%の金利です。
関西アーバン銀行もキャンペーンではありませんが、インターネット支店のいちょう並木支店では1年物=0.30%、3年物・5年物=0.35%となっています。いずれも300万円以上の預け入れに適用される金利です。
池田泉州銀行では、池田泉州ホールディングス誕生5周年カウントダウンキャンペーンと称して、池田泉州プレミアム定期預金を8月29日まで扱っています。金利は0.5%なのですが、預入期間は静岡銀行より短く、2カ月となっています。また、預入金額も300万円以上とややハードルが高くなっています。
ネット専業銀行では早くも終盤戦に
最低預入金額が100万円以上と他のネット専業銀行より預け入れのハードルが高いですが、ネット銀行の中では健闘しているオリックス銀行のキャンペーンは、7月14日の23時59分までの定期預金の作成完了分で終了してしまいます。eダイレクト預金の適用金利が6カ月物は0.40%、1年物、2年物、3年物は0.35%、5年物は0.45%になっています。6月の記事でも述べましたが、利用するなら6カ月物か、1年物が良いと思われます。
また、好金利とは言えませんが、楽天銀行の円定期預金特別金利は7月31日預け入れ完了分まで。金利は6カ月物=0.15%、1年物=0.25%、3年物0.35%です。
金利は見劣りしますが、継続してキャンペーンを行っているソニー銀行は9月7日、住信SBIネット銀行は10月5日までとなっています。
※なお、本文中の金利は全て2014年7月2日現在です