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京急大師線、地下化で動き始めた沿線を行く

元々は川崎大師への参詣客を運ぶために作られた京急大師線。以降京浜工業地帯への通勤客を運び続けてきましたが、渋滞解消のための地下化工事に加え、周辺の宅地化で風景が変わりつつあります。現況を見てきました。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

日本の初詣を変えた京急大師線、
沿線では様々な動きが

川崎大師

川崎大師平間寺。2014年5月には10年ぶりの御開帳が行われ、参詣客で賑わっていた(クリックで拡大)

京急川崎から小島新田までの4.5kmを走る京急大師線はもともと、川崎大師への参詣路線として1899年に開業した路線。開業以降、初詣に川崎大師を訪れる人が急増、現在も全国で五指に入る初詣スポット(!)となっているのはご存知の通り。実は同線開業まで、初詣は地元の寺社仏閣に行くのが一般的だったそうで、それを電車に乗って有名寺社に出かけるものに変えるきっかけとなったのはこの京急大師線。その意味では日本の初詣を大きく変えた、歴史的な意味のある路線なのです。

 

地下化の告知

駅構内に貼られた地下化計画の説明。ただ、変更もあり、まだ最終的に決まっていない部分もある(クリックで拡大)

とはいえ、参詣客で賑わうのは主に初詣など大きなイベントのある時期だけ。それ以外は沿線に多い工場への通勤客を運んできた京急大師線がここのところ、変化し始めています。その大きなきっかけとなっているのは地下化。

 

地下化で利用しやすく、路線も一部変更
一部区間で着工、工事中

踏切

これが産業道路と大師線が交差する幅の広い踏切。渋滞の巣になるのも分かる(クリックで拡大)

大師線は4.5kmという短距離の間で産業道路をはじめとする交通量の多い道路と交差しており、踏切の解消、混雑緩和が長年の課題とされてきました。川崎市は一部のルート変更および地下化を京浜急行電鉄と協議を重ねてきており、東門前から小島新田間の一部区間については2006年8月には着工、現在も工事が進められています。この部分の完成は当初2015年春とされていましたが、用地取得の難航などで遅れており、現在ではもっとも渋滞が問題となっていた産業道路との踏切部分が2018年度、先行着工区間全体の完成は2019年度とされています。これにより、路線全体のバリアフリー化、駅前広場その他の整備なども進み、より利用しやすくなることが期待されています。

 

2015年夏、
川崎競馬場に大型商業施設誕生

川崎競馬場

川崎競馬場。港町は川崎競馬場最寄り駅でもある(クリックで拡大)

もうひとつ、駅でいうと港町駅近くにある川崎競馬場の一部を利用、大型商業施設ができる予定があります。2013年の東急不動産のプレスリリースによると、川崎競馬場3号スタンドの跡地を利用、2015年夏の開業を目指して、同社が1~3階を店舗に、4~5階を駐車場にした建物を建設するのだとか。沿線には川崎大師近くに飲食、ファッション、クリニックやスーパーその他の入った大型ホームセンター、鈴木町近くに大型スーパー、家電量販店はあるものの、それ以外はコンパクトなタイプのスーパー、個人商店が中心。新店舗ができれば買い物の利便性は大きくアップすることでしょう。

 

2005年以降続く大規模マンション建設
これからの予定も多数

大規模マンション

大師道の北側にある大規模マンション。川崎大師の施設のすぐ後ろに位置し、ちょっと不思議な風景(クリックで拡大)

そうした沿線の利便性向上を意識してか、沿線では2005年以降、大規模マンションの建設なども進められてきました。目につくところで言えば、2005~2010年にかけて川崎大師近く、上述の大型ホームセンター周辺に200戸超の物件が複数登場、その後、2012年には鈴木町近くで同規模の物件、さらに2013年には港町駅前に400戸超のタワーマンションが建設され、これはいずれ3棟になる予定とか。

 

タワーマンション建設中

港町のタワーマンション。右側が現在建設中(クリックで拡大)

今後の200戸以上の建設計画だけで見ても産業道路駅近くで500戸超、鈴木町で250戸超、港町で前述の400戸超が2棟、それ以外に規模の小さな物件を加えていくと2000戸近くの物件が2015~2016年にかけて供給されることになっています。価格は物件の規模、立地にもよりますが、ファミリータイプで3000万円台半ばから4000万円台前半が中心になります。

では、この沿線がどんな雰囲気の場所なのか、終着駅から順に見ていきましょう。

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