在宅ワークママは認可保育園へ預けて働いている
子どもたちの笑顔のためにも、まずは自分の仕事を見直しましょう
「育児をしながら仕事ができる」と在宅ワークは紹介されがちですが、これは正確に言えばNO! 在宅ワークは、職種や仕事の分量はもちろん、働く時間も選べるワークスタイルですが、本格的に仕事を始めるとなると、保育園や幼稚園、学童などを上手に利用しながら、仕事のペースを整えている在宅ワーカーが多いのが事実。私や周囲の在宅ワーカーの経験では、“家事と育児の間に仕事ができる”のではなく、“仕事の合間に家事や育児ができる”といったイメージなのです。
厚生労働省が発表した平成25年4月1日時点での保育所の定員や待機児童の状況によると、保育所定員は、前年に比べ、4万9千人増加し、待機児童も年々減少しています。しかしながら、まだまだ待機児童数も多く、希望した全員がすぐに入園できるというわけではありません。これは自治体により大きな差異があることが問題となっています。
認可保育園への入園は、定員や希望者が超えた場合、「家庭で保育できない事情」を確認し、より保育が困難な方から入園を決定するといった選考方法がとられます。先着順や抽選での決定はありません。この観点から考えると、自宅で働く在宅ワーカーは、会社で働くワーカーに比べて不利といった印象を受ける人も多いでしょう。しかし、在宅ワーカーでも認可保育園にお子さんを預けながら仕事をしている人は大勢います。その準備について、具体的にご紹介していきましょう。
在宅ワーカーでも認可保育園は利用できるの!?
長い時間を過ごす場所だからこそ保育園選びは重要
「在宅ワーカーは、自宅で仕事をするのだから、認可保育園を利用できない」と勘違いをしている人がいます。在宅ワーカーは、個人事業主になりますので、仕事をする場所は自宅(もしくは小さな事務所)ですが、仕事中に育児のみに専念することは難しいですよね。まずは、働く本人がこの当たり前の認識をきちんと持つことが、一番重要なのです。以下、認可保育園に入園するための準備についてまとめました。
在宅ワークで認可保育園へ預ける前の準備3つ
1.個人事業主として「職種」「労働時間」などを決めるまずは在宅で何をして働くかを明確にし、労働する時間などを決めましょう。認可保育園への入園について、多くの自治体がポイント制を定めています。ポイント数が多いほど入園できる可能性が高くなるのです。(基準は自治体により異なる)
このためにも、保育園への送迎時間を差し引いて、8時間以上の就労実態をつくることはとても重要となります。
2.管轄の税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出する
ポイント数については、収入面でも大きく作用します。東京都の場合、都の最低賃金で換算した月収に届かなければ「趣味」とみなされ、減点対象になってしまう可能性がありますので、本気で働いているという姿勢が必要です。まずは、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出し、収入を得られるように努めましょう。翌年、確定申告を行うときに、事業所得はもちろんのこと、経費なども整理し申告することが重要です。もちろんマイナス申告でも構いません。これがなによりの証明になります。
3.認可外保育施設を活用し実績をつくる
入園の選考基準として、家庭での保育が困難なケースが優先されます。在宅ワーカーの場合、「私は子育てと仕事を両立したい」と考え、仕事をしながら自宅で子育てを行い、自分へ過剰な負荷をかけている人がいます。
「自宅で子育てをすること」=「子育てと仕事の両立」ではありません。自分一人で頑張ろうとせずに、夫、地域、友人などに積極的に協力してもらいながら、仕事に集中できる時間を作ってみましょう。その方法として、認可外保育施設を活用し“実績”をつくるのも方法の一つです。ただし、大切な子どもを預けるのですから、保育施設について単価の安さなどに惑わされずに、しっかりと見極めて利用施設を選びましょう。もちろん、その際は、家族と相談することも重要です。
以上、主なポイントをあげましたが、いずれも「収入を得ている実績、働く時間」が明確でないと、認可保育園の入園は難しいということが分かります。これは私の体験ですが、仕事がまだ順調ではないのに、息子が待機児童となってしまいました。仕事を諦めるか、入園を諦めるかと迷いましたが、なんとか一時保育や地域の保育ママ制度を利用しながら仕事を進めて業務実績を作り、収入を得るようになることで入園することができました。しかし、第二子が生まれると、またまた待機児童……。上の子は保育園に通いながら、別の施設に下の娘を預けにいくという毎日で、荷物も重く、身体もヘトヘトになりながらも、仕事を続けた経験があります。
国の方針により、保育所関連の状況は、以前に比べて改善されてはきていますが、まだまだ在宅ワーカーにとって認可保育園に入園することは、ハードルが高いのが事実です。まずは、自分の仕事を確立することと、該当する地域の保育所情報をしっかり掴むことから始めてみましょう。きっと良い結果が生まれてくると思います。
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