現場経験豊富な先生たち
鹿児島純心女子大学は鹿児島市の北西、薩摩川内市の丘の上にあるキリスト教系の女子大学です。最寄り駅はJR九州新幹線、JR鹿児島本線、肥後オレンジ鉄道の川内駅で、駅から大学までバスで約10分。ほかに鹿児島中央駅から通学にあわせた高速バスも運行され、鹿児島市内からこれを利用して通学する学生も少なくといいます。保健師教育で特長的なのは、保健師を希望する学生たちの希望はできるだけ叶えたいと、選択制を採用しつつも人数制限を行わない方針になっていることです。また、保健師教育に携わる先生が現場経験豊富なことも伝統のようで、お話を聞いた柿元美津江教授も地元薩摩川内市での地域包括支援センター長や市民健康課長を勤めてきたことから、県内各自治体の事情に精通しています。
人数制限なしの選択制
保健師コースへの選抜時期は3年に進級する前に行われます。同校が選択制を採用したのは2012年入学生からなので、今年(2014年)丁度その第1期生が選抜されています。気になる合格者人数ですが、学内で決めた一定の選択基準をクリアしたものとの条件付きで、20人が進むことになりました。つまり、希望しても落ちてしまった人もいるわけで、これに対して柿元教授は
「入学してすぐに、保健師を目指したいのならこれだけの成績を取っていないと保健師コースに進めないのですよとメッセージを出すのですが、なかなかイメージがつかないままに選抜時期を迎えてしまい、落ちてしまうケースも見られました。なので、目指す気持ちがあるのなら、しっかりとした計画を立てて欲しいのです。もちろん、私たちにできることはサポートしていきますし、早いうちに保健師像を理解してもらえるようにしたいと思っています」
柿元美津江教授(左)と児玉なぎさ助手(右)
やはり、看護師と保健師、2つの国家試験を受験するというのは、とても大変だということを学生の皆さんは肝に銘じていただきたいと思います。これはどの学校に行っても同じです。
実習や学生生活の特長
保健師実習は鹿児島市や薩摩川内市などで行います。特長的なのは、先生たちがその実習先に泊り込みをしながら学生を見守っていることです。今後は少し距離を置く計画もあるようですが「実習指導に情熱を傾ける先生が多い」ことも同校の伝統といってもいいでしょう。先生たちと学生との距離が近いことも特筆すべき点です。一般的な担任制度とは別に、何か困りごとがあれば○○先生にというアドバイザー制度、さらに就職支援のためのスタッフなど、入学から卒業まで常に複数の頼れる先生たちが付いています。
看護学科で勉強することの意義について、柿元教授は学生たちに「何になりたいの」じゃなくて「どんな看護職になりたいの」とよく聞くそうです。すると
「みんな、目をキラキラさせながら、たくさんの夢を目を輝かせて話してくれます。それを引き出して、よりより就職先を見つけてあげたい」
と語ってくれたのが印象的でした。
女性としてどう生きるかを学ぶ「女性学」が必修授業として設定されているのも、この大学ならではのことでしょう。なお、こちらはキリスト教系の大学ですが、ミサは自由参加です。
参考までに、2014年卒業生たち(統合カリキュラム)のなかから保健師を希望したのは4名で、それぞれ鹿児島県や県内の市町に合格したとのことでした。
(大学データ)
鹿児島純心女子大学
定員:45人
保健師コース定員:人数制限はないが選考基準はあり。
保健師コース最終選抜時期:3年進級前