アイルランド/ダブリンの観光スポット

歴史ある校舎を歩く、トリニティカレッジガイドツアー

アイルランドの国宝「ケルズの書」があるトリニティカレッジ。でも見どころはほかにもたくさん。今回は「ケルズの書」のチケット込みでおトクに参加できる、現役学生さんによるガイドツアーをハイライトでご紹介いたします。

執筆者:原 貴子

「ケルズの書」以外にも見どころ多数!トリニティカレッジ

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「ケルズの書」だけでなく、アイルランドでも屈指の美しい校舎も有名

アイルランドの首都ダブリンの観光名所の中でもとくに外せないのがトリニティカレッジ。1592年に英国のエリザベス一世の命によりつくられた、歴史ある大学です。また、この大学で特筆すべき点として、「ケルズの書」の所蔵があげられます。「ケルズの書」は8世紀に書かれた聖書の装飾手写本で、色彩も豊かにたくさんの美しい挿絵や装飾文字、ケルト的紋様などが描かれていることから、世界でもっとも美しい本として名高い本です。

それを目当てに同大学を訪れる方が多いのですが、本を見て素敵な校舎をなんとなくぐるりと回って帰るだけでは勿体ない! そこでおすすめしたいのが、トリニティの学生ガイドによるカレッジツアー。現役学生だけあって、トリニティカレッジの魅力を余すことなく紹介してくれるうえに、ここでしか聞けないトリビアも満載。英語圏の学生さんらしくプレゼン上手なので聞きごたえもあります。ツアーは英語ですが、実際の建物を見ながらの話なので内容が頭に入ってきやすいかもしれないですね。

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面白くておトクなガイドツアーはどの回も盛況

このツアーのおすすめポイントとしてもうひとつ挙げられるのが、そのコストパフォーマンス。ケルズの書のみのチケットは9ユーロですが、ガイドツアーは、ガイド後に「ケルズの書」の見学もできて10ユーロとかなりおトク。英語のトレーニングがてら参加してみるというのもいいのではないでしょうか。

それでは、ガイドツアーの流れとポイントをハイライトでご紹介いたします。

トリニティカレッジのおもしろ建築エピソード満載

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オーソドックスに見える正門にも、珍しい建築的要素が

正門の内側からツアーはスタート。学生ガイドさんはトリニティの校舎を建築的観点からいろいろと紹介してくれます。ちなみにこちらの正門も、柱が途中で切れたデザインが実はかなりユニークとのこと。言われなければ「なんとなく素敵だな~」という程度で通り過ぎてしまいそうですよね。

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アイルランドで咲く花と各地方で採れる美しい色の石をあしらった建物も

建築通の中では、なかなか面白い建物があることで有名なトリニティカレッジですが、いろいろな学科が揃っているトリニティで唯一勉強できない学科が「建築」なのだそうです。それもなんだか面白いですよね。そのほかに雰囲気のある食堂の壁がかつて崩れおちた話や、地下から水が上がってきてしまう土地であることを考慮して図書館を二階につくったなど、現在の校舎の建築洋式に隠れたエピソードも次々飛び出しました。

 

学生生活を垣間みながら、トリニティの学生気分に

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「上から2番目のあの窓の部屋に住んでました」と、この日ガイドをつとめたマーカスさん

このツアーに参加していて楽しいのは、学生さんたちの大学でのエピソードにもふれることができ、キャンパスを歩きながらちょっとした学生気分を味わえること。話は学生寮にも及びました。上の写真の建物は学内にある学生寮の一部。学外にも寮があるトリニティですが、学内の寮は特に人気があり、入るのはとても難しいとのこと。冬場は極寒であることなどマイナス面もあるらしいですが、学内の寮に住めるのはとっても名誉なことなのだそうです。ちなみに学費、寮費、大食堂での夕食が無料になるなどの県債不要の豪華奨学金もトリニティにはあり、こちらの倍率はなんど70/2000とも。

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トリニティで語り継がれる像のひとつ

現在トリニティカレッジの現役学生のうち、68%は女性だといいます。ところが20世紀のはじめまでは、この大学で女性が学位を取得することはできなかったというから驚きです。右の写真の像はかつての学部長George Salmonなのですが、彼は最後まで女性がこの大学で学位をとることを反対していたことで有名なのだとか。最終的に女性の入学をしぶしぶ認めた直後に亡くなっているのですが、皮肉にも今ではこの像の前で写真を撮る女性たちの姿が卒業式の風物詩のひとつになっているそうですよ。

ケルズの書のマメ知識も

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アメリカから贈られたという楓の木。国内でもここまで大きいものはめずらしいそう

メインエントランスから入り、大学の各建物、由緒ある木々のエピソードやトリニティトリビアを聞きながら、最後はケルズの書のある図書館前に到着。ここでもケルズの書のマメ知識などを教えてくれます。「世界一美しい本」との呼び声が高い「ケルズの書」の美しさは、彩色の美しさでもあります。時は8世紀、顔料など豊富になかったその時代に用いられたのは、昆虫や植物から抽出した色だったといいます。ちなみに赤は妊娠したカブトムシからのみ採れる色なのだそう。こんな話を聞くと、よりいっそう、「ケルズの書」への期待が高まるのではないでしょうか。

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「ケルズの書」がある図書館の前では学生さんたちが一休み

ちなみにケルズの書は毎日一ページずつめくられるという話もありましたが、今現在は修復と保存の観点から3カ月に一回めくられているそうです。

校舎や学内のエピソードを丁寧にひとつ一つ紹介してくれる、トリニティカレッジの学生さんのトリニティ愛を感じるガイドツアー。参加すると、ちょっとしたトリニティカレッジ通の気分になるほど。国宝「ケルズの書」を見る際には、ぜひこちらにも参加してみてはいかがでしょうか。

<Data>
Trinity College Dublin
住所:College Green, Dublin 2
期間:5月半ば~9月(月~土曜、日によっては日曜もあり。ただし15:40の回はなし)
所要時間:30分
ツアー開始時刻:10:15、10:40、11:05、11:35、12:10、12:45、13:45、14:15、15:00、15:40
※チケットは正門を抜けたあと、右手にあるStudent Union Shop、または正面にある特設ガイドツアーカウンターで購入可

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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