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毎月分配型投信の「分配金余力」とは?

ETFを除く国内追加型株式投信を純資産残高の大きい順に並べ替えてみると、上位10本は全て毎月分配型が占めています(2014年4月末時点)。現在は高水準の分配金を支払うファンドが人気ですが、その分配金は果たして理にかなったものなのでしょうか。今回は毎月分配型の「分配金余力」に着目してみます。

篠田 尚子

執筆者:篠田 尚子

投資信託ガイド

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 ズバリ、「分配金余力」とは?

「分配金余力」、または「分配金余裕月数」とは、足元の分配水準があと何ヶ月継続できるかを判断する数値のことです。この数値は、「分配金原資」を計算時点の分配金で割ることで求められます。「分配金原資」は、当月もうかった部分(当期利子配当収益、当期売買損益)と過去にもうかった部分(収益調整金、分配準備積立金)を合算することで算出されます。それぞれの数値は、投資信託の運用会社が開示する運用報告書で確認することができます。

余裕月数は分配金引き上げ・引き下げのシグナル


残高上位ファンドの分配金余力

残高上位ファンドの分配金余力



運用報告書の開示データに基づいて、国内追加型株式投信の純資産残高上位10ファンドの「分配余裕月数」を算出してみたところ、今年1月に分配金が引き下げられた「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」は、昨年11月時点で分配余裕月数が1年を切っていたことが分かりました。世界的な低金利状態で配当収益が細ったことに加え、ファンドからの資金流出も続いたため、「グロソブ」を運用する国際投信投資顧問は、分配金の払い出しよりも信託財産の成長を重視したようです。何ヶ月という明確な基準があるわけではありませんが、このように余裕月数が短くなると分配金が引き下げられる可能性は高くなります。

他方、余裕月数が長いファンドは現在の分配水準を継続できる可能性が高く、分配金の引き上げも考えられます。運用成績も良好で、恒常的な資金流入があるため、基準価額の高いファンドが多いのも特徴です。ただし、分配金の引き上げ・引き下げの判断は、最終的に運用会社に委ねられています。分配金余力だけで決定されるわけではないということは覚えておいてください。
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