上位は欧米株式が独占
足元4月末から遡ること1年間、世界の株式市場を見渡してみると、欧米市場は概ね堅調でしたが、国内市場は最終的にほぼ横ばいとなりました。また新興国市場は、構造改革への期待が高まったインドを除き、苦戦を強いられた国が目立ちました。こうした中、運用成績の上位には、欧米を中心とした海外株式に投資するタイプが名を連ねました。首位に立った「ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月決算型)為替ヘッジなしコース」は、昨今世界中の投資家の注目を集めている、バイオ医薬品関連企業の株式に投資を行うファンドです。米国を中心としたバイオ関連株市場は、これまで順調に右肩上がりの上昇を続けており、当ファンドの運用成績も突出して高くなっています。しかし、足元では過熱感が意識され調整が入っています。
尚、株式以外では、フランスを中心とした欧州のリート(不動産投資信託)に投資する「ワールド・リート・セレクション(欧州)」が7位にランクインしています。
傷跡が深く残ったインドネシアは下位に
一方、運用成績で下位に沈んだのは、新興国関連のファンドでした。中でも、主としてインドネシアの債券に投資するタイプは、ワースト10位以内に計5本ランクインしており、「一人負け」の状態となりました。「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5カ国)」と評されるインドネシア、ブラジル、トルコ、インド、南アフリカ5カ国の通貨は、その経常赤字の大きさから、FRB(米連邦準備制度理事会)によるQE3(量的金融緩和)政策の縮小により下落が進みやすいと言われてきました。インドネシア・ルピアはこの5通貨の中でも特に売りを浴びていたため、昨年12月にQE縮小が決定し、通貨の下落には歯止めが掛かっても、1年間で見ると下位に沈む結果となりました。