川沿いに湧く名湯へ
シュワシュワ。プクプク。大分県久住山系の東に湧く長湯温泉は、そんな可愛らしい音を聞きながら入る炭酸泉。湯の中にはたっぷりの炭酸ガスが含まれています。江戸時代からの湯治場で、昭和に入ってからは地元の先人と温泉の先進地であるドイツで学んだ博士により、その効能が発表されるようになりました。そして現在、「現代版湯治再生」と銘打ち、長湯温泉では3つの温泉館を楽しむことができるようになりました。温泉街を流れる芹川の下流には江戸時代につくられた「御前湯」、中流には高濃度炭酸泉「ラムネ温泉館」、上流には温泉伝承館「万象の湯」。今回は、宿泊施設も併設する「万象の湯」をご案内することにしましょう。
長湯温泉までは大分駅から大分バスが出ていますが、1日に2本だけ。バスといってもマイクロバス。山間を地元のおじいちゃんとおばあちゃんを降ろしながら向います。田舎の風景を楽しみながら約2時間のローカルバスの旅。終点が長湯温泉です。
プチ湯治ができる宿
「万象の湯」の敷地内には、宿泊ができる「湯治棟」、朝晩の食事をする「食事棟」、そして大浴場と家族湯がある「温泉棟」が渡り廊下でつながっています。客室は全部で6部屋。最大5名が泊まれる和室が4室とシングルの洋室が2室。部屋には洗面所、トイレ(ウォシュレット)、エアコン、冷蔵庫、テレビ、タオル、浴衣が備えつけられているので何不自由ありません。部屋の窓からは涼やかな風が入り込み穏やかで静かな時間が流れています。
お風呂は男女別の大浴場と貸し切りの家族湯が3つ。チェックインは少し遅めの16時ですが、大浴場ならば時間前でも利用することができます。家族湯はチェックイン後の予約制。通常は有料ですが宿泊者ならば無料です。
次のページでは驚愕の温泉を