分譲マンションの着工戸数がマイナスに
建築工事費の上昇も一因
国土交通省発表の2014年3月の建築着工統計調査報告によれば、新設住宅着工戸数は 69,411戸で、前年同月比では2.9%のマイナス。19カ月ぶりのマイナスに転じています。その中でもマイナス幅が大きいのが、分譲住宅のマンション。昨年同月比で13.4%のマイナスで、2カ月連続のマイナスです。一戸建て住宅がマイナス4.3%であることを踏まえると、要因として考えられるのは建築工事費の上昇。円安による資材価格の上昇。東京五輪や公共事業の拡充による人件費の上昇。ガソリン価格の上昇による輸送コストのアップ。しかも、職人不足は深刻で建設工事費の高止まりが続いています。こうした状況下で、一部のマンションで事業化が遅れる物件も出てきているようです。
大京と穴吹工務店初の共同事業がスタート
「ライオンズ柏旭町サーパスレジデンス」がスタート
2013年4月に大京が株式を取得し子会社となった穴吹工務店。これまでの販売実績は、大京の約33万世帯、穴吹工務店の約7万8,000で合わせて40万世帯を超える実績があります。この両社初の共同事業が柏でスタートします。「ライオンズ柏旭町サーパスレジデンス」は、常磐線「柏」駅徒歩5分。第一種住居地域や東葛飾高校が眼前に広がる開放的な敷地に位置します。全戸南西向きの42邸。角部屋が66%超で、用地取得に関わった穴吹工務店の商品企画をベースに、大京独自の「エルズキッチン」「キレイドレッサー」「マルチエントローク」といった住宅設備を標準装備しています。
施工は、穴吹工務店が担当します。このことによって、企画・設計、施工・監理、販売、管理、アフターサービスすべてを大京グループで行うことになります。
2社の相乗効果で、顧客メリットを追求
全現場で、計画の遅れなし 今後も共同事業を計画
今回、両社の共同事業となった背景には、柏エリアで当該プロジェクト以外に物件供給があることも挙げられます。柏地区では、両社の過去の供給実績も豊富(大京 16棟、1082邸 穴吹工務店 7棟、410邸)でブランド面のシナジー効果も見込んでいます。柏エリアでは、ライオンズ千代田サーパスレジデンス(全43邸)とライオンズタワー柏(全265邸)の供給が予定されています。また、建築工事費の上昇傾向の中、建築・施工実績が豊富な穴吹工務店がグループであることもメリットがあるようです。同社によれば、分譲マンションの計画において労務確保等を原因とする着工遅延は今のところ1件も起きていないとのことです。
建築・工事費の上昇は、マンション供給に少なからず影響があるのも事実です。この環境下でいかにして良質なマンションを供給していくのか。各社の取り組みに注目していきたいと思います。