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バラエティーにとって「事実」とは何なのか?

テレビ界の「やらせ」と「仕込み」の問題が、連日世間を騒がせています。そんな中で今回はバラエティ番組が取りざたされています。笑いや楽しさを提供するバラエティであっても、事実に反する演出は許されないのでしょうか?

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド

似たように見えてまったくの別問題

ある番組の中で、出演者の家族として登場した人物が、スタッフの「仕込み」だと判明して、制作者の責任問題にまで騒ぎが広がっています。似たようなニュースはこのところ頻発していますが、今回の特徴として、騒ぎになった番組がバラエティだったことが挙げられます。

これまでにも、ニュース内の情報コーナー枠で取り上げたものや、その延長線上にあると思われる情報番組や健康番組の不備が指摘されることはありましたが、バラエティ本流ともいえる内容まで糾弾されるようになったのかと驚いています。これが進むと、バラエティ全般の演出がかなり制限されたものになっていくでしょう。

とは言っても、一般視聴者の方々にはこれまでのやらせや仕込みの問題と比べて、とこがどう違うのか、はっきりとは理解できないかもしれません。実は作り手側もこの辺の「線引き問題」を明確にしたいと思っていないようで、この手のニュースにはいつもモヤモヤが残ってしまいがちです。


テレビは「事実」をどう扱ってきた?

そもそも、ニュースとバラエティーがまったく違う番組ということは、誰もがおわかりかと思います。ニュースは事実を伝えることが主目的であり、バラエティーは見る人に楽しんでもらえることを目指して作っています。

ところか、その中間にワイドショーをはじめとした「情報番組」を置くと、途端に境界線があやふやになってしまいます。情報を伝えるのだから、それが事実であることは最重要課題ですが、番組自体も面白くして、大きな反響も獲得したい。だからといって「ねつ造」が許されるものではありませんが、こうした構造からゆがみが生じてしまうことは、もっと広く知られてもいいかと思います。

バラエティという言葉を広い意味で使えば、上記の情報番組も含まれるでしょうが、事実を伝えることを重視していない、ある意味「本道」のバラエティーも沢山あります。今回のニセ家族ニュースを聞いて「板尾の嫁」を思い出した方もいるのでは? まさか彼女までが問題になってしまうんでしょうか!?
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