格好よさ仏恥義理!
鞆の津ミュージアム(広島県福山市)ヤンキー人類学
長ランや短ラン、ぺたんこのカバン、リーゼントや特攻服、改造車などに代表される若者文化。1970年代から80年代にかけて、彼らは“ヤンキー”と呼ばれ、多くの若者たちがその文化の影響を受けていました。しかし、そのヤンキー文化は現在は流行遅れのものと考えられ、ほとんど見かけなくなりました。とはいえ、近年の研究によって、実はこの“ヤンキー”的な考え、気性、文化は形を変え、日本人のなかに脈々と息づいているのではないか? と考えられるようになってきました。
「YOSAKOI ソーラン」の盛り上がりや、飲食店主が店の壁に書いたこだわりの書など、私たちの身近なところに“ヤンキー”的な文化はひょっこりと顔を出してきているのです。
この展覧会はそんな“ヤンキー”をテーマにした展覧会。ともすると、否定的な文脈で語られがちなヤンキー文化を、肯定的にとらえ直すものです。
会場には、超精巧なデコトラのミニチュアや、もちろんきちんと運転できる自作デコチャリ、ブチ上げ改造単車や、北九州市名物となっている成人式の衣装、そしてだれもが一度は目にしたことのある相田みつをの書(!)などがずらり。
自らを飾り、表現せずにはいられない“ヤンキー”とはなにか? その過剰すぎる表現はどうして生まれるのか? この展覧会は、ふだん私たち(とくに、美術館に日ごろから足繁く通う人)が目を背けがちなヤンキーについて、深く見つめることができる大切な機会です。一見の価値あり。ぜひ足を運んでみてください!
■DATA 鞆の津ミュージアム(広島県福山市)ヤンキー人類学
展覧会名称:ヤンキー人類学
会場: 鞆の津ミュージアム
会期:2014年4月26日(土) ~7月21日(月)
開館時間: 10:00~17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、火曜日
※ただし6月10日(火)、7月21日(月)は開館
Web: http://abtm.jp/
以上、5月のオススメ展覧会でした!