泊食分離型料金だからこそできる「里山オフィス」
レセプションの吹き抜け中2階にある秘密の隠れ家のようなラウンジ
こうすることで、1泊2食制の宿よりもはるかに「滞在」しやすくなる。加えて、夕食の原価が料金によって変動しない(宿泊料金に伴い変動しない)ので、安心して仕入れができ、生産者の顔の見えるおいしいものがいただけるのだ。
私も20年前からこれを推奨しているが、導入している宿はまだ多くない。泊食分離を取り入れているのは、自遊人、星野リゾートをはじめ、従来型の旅館をアンチテーゼとして宿業界に新しい息吹を吹き込もうとしている若い経営者たちだ。今後は、訪日外国人をはじめ、多様な方々に宿に泊まってもらうためには必須の料金スタイルだと思う。
里山十帖に泊まるスタイルとして、ここをクリエイティブ・オフィスとしてしまうという方法がある。パソコンをデスクに構え、窓を開け、風を感じながら、数日滞在。徳島県の神山町でアーティストが移住して居を構えているように、数日間、ホームオフィスとしてしまうのだ。
例えば、クリエイターズツインに2名で泊まって1人1泊朝食で1万1200円(税別)~。3泊して3万3600円。それに夕食代を加えればいい。都会で外食してタクシーに乗ることを考えれば、決して高くはない。
それを想定してか、客室にはコンセントが多くあり、たいそう有難い。企画書を書く、作品を仕上げる。そんな時、こもるには最高の宿だ。東京を20時に発っても、90分後にはもう里山十帖着。もちろん、館内全体でフリーwifiだ。この宿は、働く「現役世代」がはまりやすい。
デトックスを提案する早苗饗(さなぶり)料理
春に登場する山菜づくしでデトックス!
力のある野菜料理が中心で、冬メニューでは、青木酒造「鶴齢」大吟醸の酒粕<地元限定>をベースとして、枕崎の鰹本枯れ節の一番出汁と白味噌で仕立てたとろみのあるスープに、里芋、蕪、蓮根といった根菜類をごろごろと入れた真っ白な「豪雪鍋」が印象に残っている。
春から6月15日までは山菜づくし。一度食べたら病みつきになるという、色も鮮やかな山菜をしゃぶしゃぶにしていただく「山菜鍋」が登場する。山菜の苦みにはデトックス(解毒)成分が含まれ、体内の毒素を排出する効果があるとか。熊が冬眠明けに真っ先に山菜を食べるのもそうした理由からだ。手摘みの山菜に至っては、牛肉より高価なものもある、ぜいたくな里山の幸である。
夕食は、豪雪にも耐える重厚な総桧・漆塗りの梁と柱に支えられた築150年の古民家ダイニングや個室ダイニングでいただく。デザートは、ラウンジに出してもらうことも可能。ひきたてコーヒーやシングルモルトもそろう中2階のラウンジのエッグチェアに包まれて、手作りデザートをいただくのもいい。
5月になると、越後の山々の残雪が「雪形」となって現れ、魚沼の田んぼに代掻きの季節を教えてくれる。田んぼには、清水が注がれ、魚沼での田植えも本番を迎える。そんな時期の5月17日(土)、満を持して、里山十帖がグランドオープンする。
様々な体験イベントはホームページで
少し都会の毒がたまった皆さん、魚沼の絶景宿へデトックスの旅に出かけるのはいかがだろう!6月8日には、宿泊者とともに田植えを体験するイベントも実施予定だ(6月7日の宿泊とともに電話で受付中)。
里山十帖
電話番号:025-783-6777
住所:新潟県南魚沼市大沢1209-6
上越新幹線「越後湯沢」駅から契約定額タクシーで25分、3000円。
HP:http://www.jiyujin.co.jp/stay/