膝の痛み…早く病院へ行ったほうがよい?
動くことがイヤになると、新たな活動を始める気力も減っていきます
生化学工業株式会社は2014年2月、この変形性ひざ関節症に焦点を当て、初期症状の膝の痛みを持つ受診患者 519名、未受診患者 518名の計 1037名を対象とした、痛みと受診意識の実態調査を実施しました。
同調査では、受診患者の 60.9%が、膝の痛みが改善したと回答しており、受診するタイミングが早い方ほど、症状の改善を実感している傾向が示されています。また、受診患者の 50.1%が「もっと早くに受診すればよかった」と回答しており、そのうち 47.3%が受診すべきタイミングを「痛み始めたらすぐ」と答えています。このように、医療機関の受診前後で、「受診すべき」と意識するタイミングに変化が見られました。
すり減った軟骨は元に戻すことができない…では、治療法は?
変形性ひざ関節症は膝関節の軟骨がすり減り、炎症や関節の変形を起こして痛みを生じる病気です。現代の医療ではすり減った軟骨を元に戻すことはできないため、早めに受診し、痛みや炎症の改善と、病気の悪化を防ぐことが大切です。では、治療法にはどういったものがあるのでしょうか。変形性ひざ関節症の治療では、軟骨のすり減りを抑えることが大切です。その治療法には大きく分けて「保存療法」と「手術療法」があり、保存療法では十分に改善しない場合に、手術療法が行われます。
保存療法では「生活習慣の改善指導」のほか、薬で痛みや炎症を軽減する「薬物療法」があり、消炎鎮痛剤や関節内に注射するヒアルロン酸が広く用いられています。ヒアルロン酸は元々身体の中にある成分で、関節では動きをよくしたり、衝撃を吸収するクッションのような働きをしています。しかし、年齢とともに減少してしまい、特に変形性ひざ関節症の方では顕著だといわれています。そこで、ヒアルロン酸を関節内に直接注射することで、痛みや炎症の改善に加え軟骨の保護作用なども期待できるというわけです。さらに、軟骨を保護することによって、病気の進行を遅らせることも期待できます。
また保存療法には、膝関節を支える筋肉を鍛えることで、関節にかかる負担を軽減する「運動療法」という治療法もあります。これは、安静にしたまま運動をせずにいると、筋力が低下し、膝にかかる負担が増してしまうという、“膝の悪い循環”を断ち切るために必要な療法です。とはいえ、痛みが強ければ運動も難しくなります。早めに医師に相談して痛みをおさえ、継続的な運動へと“良い循環”に繋げていきたいものです。
変形性ひざ関節症の治療は、「痛みに耐えられなくなった時」に受診するのではなく、「早めに適切な治療を受けること」が重要です。それにより“膝の良い循環”を生み出し、病気の進行を少しでも遅らせることができれば、より充実した毎日になるのではないでしょうか。
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