グラフはいつもと同じく縦軸が、本記事を書いている時点で最新となる、4月21日~27日の視聴率。横軸は初回視聴率と最新視聴率との差で、初回視聴率はなにも見ていない段階での期待値ですので、初回視聴率との差は最初の期待からどれだけおもしろかったか、またはつまらなかったかを示すはずです。(ただし『なるようになるさ』と『ルーズベルトゲーム』は一週のみ放送のため暫定)
視聴率グラフ
『半沢直樹』よりも『ごちそうさん』
『半沢直樹』の池井戸潤原作作品がワンツー。しかし、『花咲舞が黙ってない』が初回17%強と期待通りだったのに対して、『ルーズベルトゲーム』は15%以下と力の入れ方に対していまひとつ。『ルーズベルトゲーム』は香川照之、石丸幹二など『半沢直樹』とキャストの共通点が多く、福澤克雄による顔の演技を強調する演出も同じ。ただ大きな違いは主人公の細川(唐沢寿明)が社長であること。
『半沢直樹』は社内の理不尽さを下から覆すところがポイントでした。しかし『ルーズベルトゲーム』第一話は社長が銀行の林田融資課長(宮川一朗太)の不正を暴き立てるというもので、現実離れしている感は否めませんし、爽快でもありません。『半沢直樹』のようなドラマを期待してみると「これじゃない」感が強すぎるでしょう。主人公がいない群像劇の原作をドラマ化するにあたって、主役にすべきは社長じゃなくて野球部関係者ではなかったのでしょうか。
それに対して『花咲舞が黙ってない』はヒロインの活躍を軽いタッチで描いており、ドラマとして見やすくなっています。DNAを引き継いだのは『半沢直樹』よりも『ごちそうさん』。花咲舞(杏)のキャラは『ごちそうさん』ヒロインのめ以子に近く、『ハケンの品格』や『ホタルノヒカリ』などちょっと変なヒロインが多い日テレ系水曜22時枠にあったものになっています。
『ルーズベルトゲーム』はドラマ中で「野球は最後に逆転して8対7になる試合が最もおもしろい」といっていますが、逆転もきびしいかもしれません。
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