意外なコラボレーション

2014年3月18日にavexの公式YOUTUBEページ上で公開された『EDM TOKYO 2014 feat. KOJI TAMAKI』。

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非常に打ち解けた様子の二人


小室哲哉のアルバム『TETSUYA KOMURO EDM TOKYO』に収録される楽曲で、ゲストボーカルに玉置浩二を迎えた意欲作だ。

 

若い方にはピンとこないかもしれないが、1980年代から両者を知る方にとってはこれはけっこうに意外な取り合わせ。

玉置浩二の『安全地帯』と小室哲哉の『TM NETWORK』が活躍した時期はある程度重複しているものの、それぞれ音楽に対するスタンスやファン層は大きく異なっていたからだ。

特に1990年代初頭から生音やアコースティックを重視した音作りに傾いていった玉置にとって1990年代後期に大流行した打ち込み多用の"小室サウンド"はあまり好ましいものではなかったようで、ジャニーズアイドルの番組に出演した際「小室さんみたいなのもいいかも知れないけど、やっぱり本物の音楽は生音」という発言をしていた。

この二人が今回のコラボレーションに至るきっかけになったのは2012年に放送された『FNSうたの夏まつり』(フジテレビ)での共演。

事前に玉置側からの打診もあったらしいが、ともかくもその後交流を深めていった二人の天才は今回の『EDM TOKYO 2014 feat. KOJI TAMAKI』で才能のマリアージュを果たしたわけだ。


21世紀のエレクトロ・ダンスミュージックの入門編

『EDM TOKYO 2014 feat. KOJI TAMAKI』はまず小室が"LOVE & PEACE"、"21世紀のエレクトロ・ダンスミュージックの入門編”というテーマで作ったオケの上に、後から玉置がボーカルを乗せて作ったということ。

サビ以外はほとんど「LOVE & PEACE」、「ダンス ダンス ダンス」というフレーズのリピートとお得意のフェイク。

初めての試みに、玉置としては初め戸惑いもあったそうだが、完成品を聴いた印象では実にのびのびとして自由な玉置節を感じる。

自らのテーマを完遂しながらもボーカリストの魅力を最大限に引き出す小室の手腕はさすがのものだ。


玉置浩二とデジタルサウンドの相性

1990年代初頭から2000年代半ばまで長く生音に傾倒していた玉置だが、けっしてデジタル系サウンドと相性が悪いわけではなくむしろ逆。

1980年代の安全地帯はバンド演奏を基調としながらもギターシンセを導入したり、シンセサイザー奏者の川島裕二をアレンジャーに迎えたりと80'Sニューウェーブ感バリバリの音作りをしていたし、1989年のソロシングル『キ・ツ・イ』、『I'm Dandy』に至ってはシンセドラムまで導入していた。
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『キ・ツ・イ』(1989年)。当時の玉置浩二はバブル経済を象徴するイケイケムードのミュージシャンだった。


2010年に安全地帯を再始動させてからは再びデジタル系サウンドに回帰つつあったのだが、個人的にはまさか小室とのコラボレーションというような「事件」にまで発展するとは思ってもみなかった。

しかし、意外だったもののこれはけっこうイケる。
1980年代の両者を知る方も、そうでない方もぜひぜひご一聴いただきたい。


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