便秘と大腸がんのリスクは関係が薄い
乳酸菌が豊富なヨーグルトに、食物繊維を含むドライフルーツなどを食事にうまく取り入れてみては?
便通が週2−3回しかなくても、毎日ある人と比べて大腸、結腸、あるいは直腸がんのリスクが高くなることはありませんでした。診断前の大腸がんの影響を取り除くために、追跡開始から2年目までに発生した大腸がんを対象から除いた場合でも、結果は変わりませんでした。
ダイエットのし過ぎや高齢者は注意
男性と比べると、女性は便秘になりやすいのですが、これは女性ホルモンが影響していると考えられています。女性ホルモンのひとつの黄体ホルモンは、妊娠期や排卵後に、大腸の蠕動運動を抑える作用があるため、便秘になりやすくなるのです。また妊娠中は、子宮が大きくなるにつれて腸が圧迫され動きが鈍くなり、便秘になってしまうこともあります。また若い女性等でダイエットで極端に食べないことも、便の量が減り便秘になりやすくなります。
男性も加齢とともに便秘になる人が増える傾向があります。その理由は、歯が悪くなり柔らかいものばかり食べて食物繊維などが不足すると便の量が減る、加齢 とともに腸内の善玉菌が減少する、筋力が低下することで便を押し出す力が低下する、水分不足、運動不足など、また糖尿病などの疾患のために弛緩性の便秘に なったり、治療のクスリの副作用のためなどがあげられます。
健康を維持するためにも、便秘予防は心がけたいものです。便秘予防のためには、善玉菌を増やす事に役立つ食物繊維や、乳酸菌を意識して摂取することが有効と考えられ、過去の記事「便秘予防・改善に食物繊維+乳酸菌」でもまとめていますので、一つの参考になさってください。
食物繊維の摂取量として、2010年版から変更されて、2015年版の日本人の食事摂取基準では、まだまだ具体的にどれほどの量をとれば良好な排便になるかは十分に明らかではないとしており、更なる研究が求められています。
また朝ご飯を食べて排便リズムをつくるなど生活リズムを整えたり、便を柔らかくするため適度な水分摂取も必要ですし、腸に刺激を与える運動や、またおなかのマッサージなども有効な場合があります(個人差があります)。
※内臓疾患による便秘の場合は、専門医の診断や治療が必要です。
不要なものをきちんと排泄することは、健康維持のために大切なこと。心身全体の健康と美容のためにも、元気な腸でいられるように心がけましょう。
参考/
- 腸と脳の藤木な関係(クレデンシャル 2013/No.53)
- 便通、便の状態と大腸がん羅患との関連について(国立がん研究センター予防研究グループ)
- 便秘が肌状態に及ぼす影響に関する調査結果(森永乳業株式会社ニュースリリース)
- カルピス株式会社
- 日本人の食事摂取基準2015年版(厚生労働省)