子どもを伸ばす遊び、伸ばさない遊び……幸せ度や発達に違いが出る!
その子の幸福度を高める遊びとは?
本記事では、イギリスの大学が見出した遊びと発達の関係についてご紹介します。
イギリスの調査で分かったこと
このリサーチは、2~3歳の子供を持つドイツ人の親800人を対象に行われました。過去2週間の遊びの内容、親から見たその子の幸福度、言語発達、身体能力の発達、社会性の発達などのデータをもとに子供の心身の成長と遊びの関係を探りました。そこで分かったのは、
- 読み聞かせ、お絵かき、工作、お買い物をして過ごす頻度が多い子は、より高い幸福感を持っている傾向が強い
- お絵かきや工作などの物づくりは身体能力の発達を促すことが期待できる
- 読み聞かせや童謡を歌うなどの過ごし方は、言語能力や社会性の発達を促すことが期待できる
- 文字のない絵本を見る、テレビを見るという過ごし方には、上記のようなメリットは見られなかった
- 上記のような過ごし方は同様に、幸福度についても、読み聞かせ、お絵かき、お買い物などで過ごす子供達に比べ低い傾向が見られた
- テレビに至ってはメリットがないばかりか、子供達の幸福度に悪影響さえ及ぼす傾向があった
*出典:パリにて開催された Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD)-Universities conference内での発表「An Economic Analysis of Child Development and Happiness」より
能動的なのか、受動的なのかが分かれ目
このリサーチが見出したもの、それは、遊びの方向性でした。その子がやっていることが、Activeなことか、Passiveなことか、ということが効果を分ける区切りだったのです。Activeとは能動的、Passiveとは受動的を意味します。つまり、能動的な遊びや行動ほどポジティブな発達が期待でき、逆に、受動的な遊びや行動はネガティブな影響さえ与えかねないということが分かったのです。能動的な遊びとは、子供達自らが何かをする、働きかける、やりとりをするという方向性があるのが特徴。ここで「発達を促す遊び」の刻印を押された「読み聞かせ」「お絵かき」「工作などの物づくり」、これらは積極的に取り入れたい遊びですね。
そして、受動的な遊びというのは、子供達はあくまで受け身の姿勢。このリサーチで受身の遊びとされたのは、文字のない絵本を見ること、テレビを見ること。特にテレビは発達を促さないというだけではなく、子供の幸福感にマイナスの影響を及ぼしかねないというのも気になりますね。やはり生身の人間との直接的なやりとりがないばかりか、座っているだけでどんどんと情報が入ってくるという完全な受身だからでしょう。
お買い物タイムを有効活用しよう
意外だったのが、お買い物。「ショッピング」に能動的な遊びのイメージはありませんが、今回のデータを見れば、お買い物も立派な成長促進剤だったのです!子供が小さいうちは、買い物を面倒に感じ、義務的にこなしているママも少なくありません。ママ1人だったら30分で済むのに、子連れショッピングだと、あっという間に1時間経過。時間オーバーで後がバタバタに……という経験、きっとだれもがしているでしょう。
でも、実際は、2~3歳の子にとってはママとのお買い物は能動的な刺激となるのですね。確かに、スーパーなどに行けば、様々な物の名前を覚えるいい機会にもなりますし、ママやパパ以外の人と触れ合うことも多くなりますよね。
お買い物+公園、とハシゴしようとすると、「買い物を早く済ませねば!」とストレスになりがちですが、お買い物が子供達にとっていい刺激になるのであれば、その位置づけも変わってきますね。
この研究でも、「親が常につきっきりで子供と遊んであげるのは時間的に無理でも、できるときは一緒に遊んであげるのがのぞましい」としています。そういう点からも、お買い物タイムをうまく活用するのは名案です。雨の日やゆっくり公園の時間が取れないときなどは、いつもの倍の時間をかけてお買い物をするというのも、いい活用法だと思います。
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