ということは、投資でいったん損をすると、それが元本を回復するまでは、動けなくなってしまう人が多いということが推測できます。この行動を人は自嘲的に「塩漬け」と呼びます。
当たり前のようにやってしまう、この「塩漬け」ですが、果たして良いことなのでしょうか?
イヤな資産を持ち続ける不合理
投資成績がマイナスになっていて、そのマイナスが消えたら売るということは、そもそも本来持っていたい資産ではなかったということですね。だって、持っていたかった資産なら、価値上昇してきていよいよこれからプラスが伸びようというときに、処分するはずがないからです。持っていたくなかった銘柄であるというよりも、その銘柄のせいで損をしたと思っていることも多いでしょう。なぜ、そんな銘柄を買ってしまったかは置いておいて、それをいつ売るのがいいのかを、ご紹介します。
損失を抱き続ける忍耐力
これを、東京から大阪へ向かう電車の旅にたとえて考えてみましょう。東京駅で飛び乗った電車ですが、あいにくの鈍行。しかも、ダイヤトラブルで遅延ばかり続きます。塩漬けをする人は、この場面でダイヤが回復して、とりあえず名古屋まで着くのを待つような人です。辛坊強いともいえますが、いったいいつゴールに着けるのでしょう。
もちろん、すぐに乗換えという行動に出ることが絶対に確実とはいえませんし、変える勇気がないという理由もあるでしょう。
気が着いたら乗り換える機転
しかし、感情にとらわれない人であれば、合理的な判断ができます。この場合に、合理的な判断とは、間違えたと気付いたときに、すぐに乗り換えることです。違いますか?いっときは、途中駅で待つかもしれません。後続車両に抜かれるかもしれません。それでも、後から来る急行電車や特急電車に乗った方が良いのではないでしょうか?
乗り換えるために、追加の費用が発生することもあるでしょう。でも、費用を上回る利益があれば、払う費用は活きます。その場合の利益とは、イライラしない快適さ、節約できる時間そして失った時間を取り戻せる期待感ですね。
一度の失敗で諦めない粘り強さ
もちろん、最初から東京発新大阪行きの新幹線に乗れていれば、それに越したことはありません。しかし、初めての場合にはそんなことにも気付かないものです。(私も最初はそうでした)だから、最初の選択でつまづいてても、その後から学習して調査して乗り換えた方がいいですよ。最初のミスで、次善の策を放棄してしまうというのは淡白すぎるというものです。
そして、乗換えるタイミングは……
気が付いたら、すぐに今です!
多少の損など、新しい路線でいくらでも取り返せます。
鍛えれば賢くなる投資脳
投資は何を買うか(What to buy)で決まる、とばかりに、自分の行動パターンを気にしないで、銘柄あさりをする人がいます。しかし、投資はどう考えるか(How to think)で決まるのです。自分の頭の反応を変えないと、成果は変わりません。
投資脳を鍛えましょう。