日本にいなくてもお金を稼げる仕組みを作っています
私は今、フィリピンのセブ島に隣接するビーチリゾート、マクタン島のホテルでこの原稿を書いています。というと優雅な感じががするけれど、たまたま原稿を書く時期が、こちらにプチ移住する機会と重なっただけです。それでも、日本にいなくても大丈夫、という仕組みを作ってきたからこそ、3ヶ月間も日本を離れ、日本での仕事をほとんど断っても暮らすことができています。もし私が以前のような会社員だったら当然ながらできないし、経営者であっても従業員を抱える立場であれば、やはりできなかったでしょう。
私は、34歳で独立起業してから、いろいろなプチ成功と大失敗を繰り返してきました。(むしろ失敗のほうが多く、今でも失敗だらけですが)
立ち上げた会社は3つの事業部となり、スタッフも30名近くまで増えたことがあります。そこで感じたのは、経営者というのは意外に不自由だったということです。その不自由さに耐えかねた私は、東日本大震災の直前に、会社を縮小・分社化することにしました。今は自分一人の会社で、直接雇用している従業員はいません。事務所も自宅の一角。でも事業はずっと回っていて、それどころか、むしろビジネスの幅は広がりました。
そして僕は今、少しだけ自由になれました
好きな時間に起き、好きな時間に寝る。会社に行く必要もなければ満員電車に乗る必要もない。旅行に行きたくなったら行けるし、休みたいと思ったら休めばいい。もちろん、この生活が何年続くかはわからないから、まったく不安がないといったらウソです。でもその不安を軽減してくれるのが、収入源の多様さと、やろうと思えば何でも挑戦できる自由な環境です。
固定的な収入は少なく、金額の振幅は大きい。モノによってはゼロの月もあるなど、すべてが変動費だから、不安定と言われればその通りです。でも、仮にどれかが減ったり途絶えたりしても、他の収入源で補うことができます。今の私には仕入もオフィスの家賃も人件費もなく、固定費はほとんどかからないから、売上=利益、つまり年商=年収というわけです。
1日の労働時間は3時間くらい。多い日でも5~6時間くらいでしょうか。いわゆるルーティンワークはなく、誰かに指示されてやるような仕事もありません。すべて自分で作るものばかりです。講演や執筆は自分でやる必要があるけれど、他のほとんどは自分の労働力にさほど依存しないで稼ぐことができるもの、あるいは一度の労働で何度も使いまわせて収入を生んでくれるものにしています。
そしてそれを支えてくれているのは、提携している外部スタッフです。といっても、打ち合わせのほとんどはメールと電話で済んでしまうので、ほとんど手間はかかりません。基本的に見積もり書を求められることもなければ、営業のコンペに付き合わされることもない。他人と比較されて価格の安さで仕事が決まるということもないので、とても気楽と言えます。
自由とお金の両立の仕方を考え出してみませんか?
こうしたいわゆる「ノマド的」な働き方は、批判されることも多いのも事実です。でも私は、こういう生き方もアリだと思っているし、その気になれば誰にでも可能だと思っています。そしてもちろん、会社員時代以上の収入を得ることも。「雇用される」という生き方が主流になり、「自分で仕事を創る能力」が退化しているだけ。戦前の人がみなやっていたように、磨けばその能力は復活するはずです。
また、ノマド論の多くは、「自由と引き換えに、収入はそれなり」というものが多いけれど、私はそうしたくありません。自由も収入もあきらめたくない。ちまちまと生きるなんて嫌だし、小さくまとまってしまうのも嫌です。もちろん、一時的にへこむことはあっても、すぐに復活できる体制作りを意識しています。
そして、やりたいことは全部やりたいし、欲しいものは全部手に入れたい。だって人生は一度きりしかないんだからと思っています。
もちろん、私の価値観が正しいというわけではありません。だからこの主張に同意する必要なんてないし、そうしてほしいとも思っていません。大切なのは、「他人が定義した成功」じゃなくて、自分が本当に楽しいと感じられる成功を定義し、そこに向かうプロセスを自ら作り、楽しみながら行動することだと考えています。皆さんも、自ら「雇用される以外の方法で稼ぐ」仕組みを考えてみることで、もっと自由に生きてみませんか?
参考文献
『「やりたくないことはやらずに働き続ける武器の作り方」~だれでも人生を複線化できるお金と時間の仕組み~』