演劇・コンサート/おすすめ舞台・公演

劇場へGO!2014年5~6月演劇ガイドお薦め舞台

新緑の美しさを楽しみつつ、ちょっと鬱陶しい梅雨対策も必要なこの季節。春からスタートした新しい環境での生活にもそろそろ慣れた、なんて方も多いのではないでしょうか。五月病、梅雨のジメジメ……そんなネガモードを吹き飛ばすには観劇が1番! と言う事で、演劇ガイド・上村由紀子がお薦めする5~6月上演の舞台5本をPick Upしてみました! 映像でも活躍する俳優さん達の舞台姿、要チェックです。

上村 由紀子

執筆者:上村 由紀子

演劇ガイド

美しい新緑に癒されつつも、梅雨のモードに心がちょっとネガティブモードに傾いてしまいそうなこの季節。そんなモヤモヤを吹き飛ばすには観劇が1番! と言う事で演劇ガイドがお薦めする舞台5本をPick Upしてみました。映像で活躍する俳優達が舞台で魅せるいつもとはちょっと違う生の姿……要チェックです!

強烈な登場人物たちがひりひりとした日常を生き抜く
『殺風景』

殺風景

『殺風景』 (C)江森康之

日が当たらない場所で生きる愛すべきダメな人々の姿を乾いた笑いと共に描き、その独特な世界観で今最も注目を集めている劇団の1つ<THE SHAMPOO HAT>。そこで創立以来、全ての劇作・演出を手掛けている赤堀雅秋さんが書き下しの新作を引っ提げ、シアターコクーンにクリエーターとして初参戦します!

本作『殺風景』の3つのキーワードは”積み上げられる隣人の死体” ”見つからない二千万円”そして……”家族”。何だかゾクゾクするドラマが繰り広げられそうですが、この世界を体現する俳優陣もゴージャス!

家族の愛を渇望しながら犯罪に手を染める菊地家の次男<稔>には、Hey!Say!JUMPの八乙女光さん。王子様モードのキュートな笑顔が赤堀ワールドでどう料理されてしまうのか!? 兄の<直也>には以前から<THE SHAMPOO HAT>の大ファンだと公言するナイロン100℃の個性派俳優・大倉孝二さん、母親<マリ>には存在感が際立つ荻野目慶子さん、父親<国男>には『Paco』の大貫役でチャーミングな”クソジジイ”を演じた西岡徳馬さん……更に被害者となる隣家のシングルマザー<大場節子>には朝ドラ『ごちそうさん』の小姑・和枝役でお茶の間の話題をさらったキムラ緑子さんと、個性派俳優たちがギリギリのラインで無様に生きている人間の業を深く濃く演じます。

赤堀さんが拘った”家族”の姿がシアターコクーンでどう立体化されるのか。ひりひりする世界観を是非劇場で噛み締めて下さい。

◆Bunkamura25周年記念 『殺風景
2014年5月3日(土)~5月25日(日) Bunkamuraシアターコクーン
作・演出:赤堀雅秋
出演
八乙女光、大倉孝二、荻野目慶子、江口のりこ、近藤公園、
大和田美帆、尾上寛之、太賀、福田転球、駒木根隆介、安藤聖
キムラ緑子、西岡徳馬

→ 公式HP

「売れない舞台俳優」と「記憶喪失の殺し屋」の人生が入れ替わる時
『鍵泥棒のメソッド』

鍵泥棒

『鍵泥棒のメソッド』

舞台作品の映画化はこれまでも何度かあったものの

→All About参考記事 ステージからスクリーンへ!舞台劇が原作の邦画4選

映画を舞台化するのはなかなか珍しい事だったりもする演劇界。本作『鍵泥棒のメソッド』は1年間に映画を150本観るキャラメルボックスの成井豊氏が、2012年の年間ベスト1と語り、観た直後に「是非自分でもやってみたい!」と実現させた企画です。これまで数多くの小説を舞台化してきたキャラメルボックスが挑む初の試み……一体どんな舞台になるのでしょうか。

映像の俳優だった桜井(映画版では堺雅人さんが好演)を本作では舞台俳優に置き換え、メインの3人を6人の俳優がダブルキャストで演じます。台詞の明確さと俳優陣の体のキレには定評があるキャラメルボックス。開演前のお約束イベント等もあり、個人的には”舞台に興味はあるけど何を観たらいいのか分からない”という観劇ビギナーにも安心してお薦めできる劇団の1つです。

売れない舞台俳優と記憶喪失の殺し屋が入れ替わり、お互いの人生を生きる時そこでどんなドラマが起きるのか。映画『運命じゃない人』 『アフタースクール』で注目を集めた内田けんじ氏の脚本を元に、舞台として生まれ変わる『鍵泥棒のメソッド』。観劇後、HAPPYな気持ちで劇場を出られる事間違いなしの1本になりそうです。

◆『鍵泥棒のメソッド
2014年5月10日(土)~6月1日(日) サンシャイン劇場
原作 内田けんじ『鍵泥棒のメソッド』   脚本・演出 成井豊
出演
<Wキャスト>
【Black】畑中智行 阿部丈二 渡邊安理
【White】多田直人 岡田達也 岡内美喜子
大森美紀子 西川浩幸 前田綾 大内厚雄 石原善暢 小多田直樹
笹川亜矢奈 毛塚陽介 関根翔太

→ 公式HP (東京以外の公演地、スケジュール詳細等ご確認下さい。)


呼び覚まされ交差する3つの記憶……果たして真実は……。
『昔の日々』

ムカシ

『昔の日々』


1988年の初来日以来、tptの創立メンバーとして日本の演劇界に大きな影響を与え続けてきた英国人演出家・デヴィット・ルヴォー氏。近年では宮沢りえさん主演の『人形の家』や帝劇『ルドルフ』の演出でも鮮烈な印象を残した氏が、彼のミューズの1人である麻実れいさんと14年振りにタッグを組む『昔の日々』。この組み合わせを待っていた! とテンションが上がっているファンの方も多いのではないでしょうか。

1組の夫婦と、妻の女友達との間で交わされる「昔の日々」の記憶。ところがその”記憶”は三者三様であり、時には”起こらなかった出来事の記憶”までもが語られ、観客は何が真実なのか幻惑されていきます。彼らはなぜそのような話を始めるのか、そもそもその話は現実なのか、それとも虚構なのか……。

ルヴォー作品には99年の『令嬢ジュリー』以来、15年振りの参加となる若村麻由美さん、映像を中心に活躍し、舞台ではマーティン・マクドナー作品等にも参加経験がある堀部圭亮さん、そしてtptではルヴォー氏と共に数多くの伝説を作った麻実れいさんの3人が濃密な世界を織りなす本作。大人の胸に刺さる舞台としてお薦めしたいと思います。

◆『昔の日々
2014年6月6日(金) ~ 6月15日(日)  日生劇場
2014年6月19日(木) ~ 6月22日(日)  梅田芸術劇場・シアタードラマシティ
作 ハロルド・ピンター   演出 デヴィット・ルヴォー
出演
堀部圭亮 若村麻由美 麻実れい

→ 公式HP

→ 次のページでは堤真一さんや”光生”のアノ人が出る舞台をご紹介!


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