開業前後は悪徳商法に注意
この記事を読み、独立を志している現役ケアマネージャーの中には、開業後、簡単に顧客が獲得できると思っている方もいると思います。実際、私がそうでした。前の職場が、比較的大規模な社会福祉法人や医療法人で、在宅介護支援センターや地域包括支援センターを併せ持っていたこともあって、居宅介護支援事業所の新規顧客は、1か月に10名を超すこともありました。しかし、独立後はそのようなペースで顧客を獲得することは大変に難しく、事業計画を下方修正した思い出があります。こうした実情から、法人設立から新規顧客の獲得までをサポートする、コンサルティング業者や、幅広い業務やより深い専門性を確保するための資格取得をサポートする資格商法が存在します。もちろん、これら全てに問題があるわけではありませんが、中には十分な効果が期待できず、高額な請求をされるケースも聞きます。本記事では、特定の業者を否定するものではありませんが、各商法のメリット・デメリットを考察し、何かの気づきになれば幸いです。
コンサルティングについて
コンサルティングのイメージ
ある程度、ケアマネージャーの経験がある場合、ルーティンワークは問題ないでしょうから、集客についてコンサルティングを受けると良いでしょう。冒頭にも書きましたが、開業後に安定して集客できるケアマネージャーは極一部です。コンサルタントは、貴方の強みや弱みを客観的に分析し、改善案を提示しますので、第三者評価的な側面も併せ持ちます。このようにコンサルティングは、より専門的で有益な情報や知恵の提供を受けることができ、業務効率化による時間・経費の削減や、精神的な支えになるといったことが期待できます。
一方で、ケアマネージャーの活動範囲が比較的に狭域であることから、地域の実情に即したコンサルティングを受けられるかどうかがカギになります。他で通用していたことも、特定の地域では通用しないということも考えられるのです。これは、競合する事業者の数や行政機関の方針などでも左右されます。
一緒に改善策を考えてくれるコンサルタントに出会うことができれば問題ないのでしょうが、画一的な対応しかできないのであればメリットは少なく、セミナーを受講することとあまり違いはないのかもしれません。コンサルティングを受ける際はこのあたりを見極め、慎重に検討する必要があるのです。
次のページではコンサルティングの必要性や費用について説明します。