わざと困らせることで相手の愛情を図る!? 「試し行動」に隠れた心理
試し行動は子供の心からのSOS。早めに気づいて対応が吉です!
「試し行動」とは、自分をどの程度まで受け止めてくれるのか探るために、わざと困らせるようなことをする子供の行動のことを言います。
試し行動は、「虐待を受けた子=大人を信頼していない子供」に、特に強く見られる行動です。
2歳くらいの子どもの場合、物を投げる、泣き叫ぶ、噛みつく、度の越えるワガママなどといった行動で見られます。4歳くらいになると、前にも叱られたことを、ママの顔を見ながらアピールするように繰り返すといった行動もみられます。
試し行動は、子ども自身が「悪い」とわかっていることを、大人の顔色を見ながら、気を引くようにあえてするところにあります。これは大きくなったから自然に消滅するというものではなく、親の愛情が確認できるまで、形を変えて表現されます。
何度伝えても伝わらない時は、悲しい気持ちになったり、感情的に怒ってしまった時には、自己嫌悪に陥ったり、罪悪感に包まれママの心も揺れますよね。そこにさらに子どもが揺さぶりをかけてくる。正に親としての在り方が試される瞬間です。
子供が「試し行動」をする心理
試し行動の裏にある子どもの想いは、ただ一つ。「こんな僕/私でも愛されてるのか?」「さっき怒られたけれど、ママは僕/私を嫌いになっていないのか?」といった、親からの愛情が変わらないものか確認するためです。試し行動は、大人を信頼しても良いのかを確認している作業ともいえます。試し行動は、ママに対しての不信感?
「私は虐待していないし、試し行動は関係ないわ!」もしかしたらそう感じている方もいらっしゃるかも知れません。でも、実は試し行動は虐待を受けた子だけに見られるわけではありません。
子どもがママに対して不信感を抱くと、試し行動が見られます。例えば、子どものことを感情的に怒ったり、日によって言う内容が違ったり、怒る内容が違ったりすることなどです。
試し行動をする子供への対処法・関わり方のポイント
子供が一番知りたいことは、ママが自分を好きかどうか。ママの「大好きだよ!」のメッセージは一番のお薬です。
1つ目は、「どんなあなたも大好きよ!」と伝え続けること。悪いことをしても、良い子じゃなくても、どんな子どもの姿も受け入れるつもりであることをしっかり伝えて行きましょう。ありのままの我が子の姿を受け入れるのが、早ければ早いほど試し行動は早く消失します。
2つ目は、良いことと悪いことははっきりと伝えること。試し行動をされたからと言って、子どもの挑発に乗り、「あ~めんどうくさい!」と悪いことまで受け入れてしまうと、解決を先延ばしするどころか、悪化させます。良い物は良い、悪いことは悪い、このラインははっきりとさせて関わることで、子どもの中で「ママは僕/私のことは好きだけれど、ダメな物はやっぱりダメなんだ」と理解することができます。この積み重ねが信頼関係を回復する近道です。
試し行動に隠れるリスク
子どもは親の思い通りにはいかないし、言うことを聞かないことも、子育てにおいては良くあることです。でももし、最近ママの感情をかき乱される程、子どもの行動にイライラする!と感じたら、それはもしかしたら、子どもの試し行動に乗ってしまっているからかもしれません。試し行動であることに気がつけないと、繰り返し悪いことをする我が子を見て、親の気持ちの調整が間に合わずに再度叱る → 試し行動を繰り返してしまいます。
子どもは安心したいためにしていることなので、大人から感情的に怒られれば怒られるほど、試し行動はひどくなるのです。その結果として、信頼関係が崩れてしまいます。
子どもの様子を良く観察して、「試し行動」という見方を一つ加えてみると、もしかしたら、今まで分からなかった子どもの行動の理由が見えてくるかもしれません。小さな試し行動の間に、子どもの信頼を回復することで、「悪さをする ⇒ 叱る」の悪循環を断ち切りましょう!
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