土地活用のノウハウ/入居者ニーズとマーケティング

消費税増税開始!賃貸住宅市場の動向とこれからの対策(2ページ目)

アベノミクス、東日本大震災の復興需要、円安など、近年の日本経済を取り巻く環境は大きく変化しています。この変化は賃貸住宅市場にも大きな影響を及ぼし、大都市圏を中心に不動産価格や建築費の高騰を引き起こす結果となりました。平成26年4月には消費税率の引き上げが実施されましたが、今後の動向をしっかりと見定める必要があります。家主さんには、これからの激動の時代を生き抜くための柔軟な対応が求められています。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

優秀な管理会社をパートナーにすること

All Aboutをご覧になった方から電話相談を受けることも多いのですが、過去1年間におけるオーナーさんからの電話相談では、土地活用や賃貸経営全般の相談が突出しています。
また、入居者トラブル、管理会社トラブルについても数多くの相談が寄せられています。

傾向としては、管理会社に関する不満やトラブル等のご相談が増加しています。賃貸住宅経営は「お部屋を貸して家賃を得る」という、一見シンプルなシステムであるものの、長期にわたって経営を続けて行けば、必ずどこかでトラブルに遭遇することになります。
賃貸住宅経営が複雑化しつつある今、トラブルを解決する為には高度な判断力、決断力が求められ、オーナーさんにとって管理会社のサポートは非常に重要なものとなります。

しかし、実際には適切なサポートを受けられていないオーナーさんが数多くいらっしゃるということなのでしょう。
今後の賃貸経営の成功のカギは、優秀な管理会社をパートナーにすることと言っても過言ではなく、今まで以上に重要なテーマとなってきています。

消費税増税等の世の中の変化に対するオーナーさんの備え

消費税の増税については、世の中全体に平等にかかるものであり、特定のオーナーさんにかかるものではありません。
誰もが同じ条件で負担を強いられている訳ですので、自分だけが守りの経営に入ってしまうのは危険です。市場での優位性を保つ為には、敢えて先手を打ってリノベーションをしたり、最新の設備を導入したりする等の思い切った対策が必要となります。

東京都においては、6年後のオリンピックに向けて賃貸住宅市場の活況は続くものと思われますが、オリンピックが開催された翌年には、GDPが減少し景気が後退するという傾向があります。
今の上昇トレンドは歓迎すべきものですが、開催後には景気が悪化する可能性があることも念頭に置いておかなければなりません。

景気の後退局面において不良資産を抱えてしまうことの無いよう、前もって保有する資産と処分する資産の選別をしておくことが大切です。
保有する資産とは、すなわち自宅や優良な収益物件等のような次世代に残すべき不動産や、これから新たに有効活用する不動産のことです。
反対に、処分すべき資産とは、将来支払うべき相続税の納税財源として備える不動産や、売却して金融資産にする不動産のことです。
活況な市場に油断することなく、しっかりと先を見据えた備えすることが重要なのです。

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