日本が総力を結集して獲得した金は16万円ほど

そもそもの疑問は、金メダルは金(ゴールド)でできているのかということ。五輪関係者でなくとも察しはつくかと思いますが、もちろん純金製ではありません。1916年のベルリン大会以降、銀に金メッキのスタイルが定着しました。

金メダルは純金で作られてる?

金メダルには純金が使われている?


『オリンピック憲章』によると、金メダルには「規格」があります。大きさは直径60mm以上、厚さ3mm以上。また、素材として重量の92.5%以上は銀を使うことと、6g以上の金張りを施すことになっています。

メダル全体の重量は、2年前のリオデジャネイロ大会で使われた金メダルが、それまででもっとも重い500g。ところが、今回の平昌大会はそれを更新して、実に586g。テレビを見て「メダル、なんかデカくない?」と思った人、気のせいではなく、最重量ゆえサイズも大きいということです。ちなみに、今回の金メダルは、98.98%がスターリングシルバーで、残り1.02%が金なのだとか。つまり、金の重量はジャスト6g。実態はほぼ純銀製ですが、金メダルの条件はしっかり規定はクリアしているのです。

結局、平昌大会で日本の金メダル獲得数は競技としては4個。しかし、女子追い抜き(パシュート)は選手が4人なので、受け取った個数は「7個」となり、つまりは6g×7個=42gの金が日本国内に持ち込まれたことになります。金の小売価格1g/3788円(2月16日現在)で換算すると、15万9096円。4年間の日本選手、コーチやスタッフ、関係団体等の努力の報酬は、金で推し量ると約16万円くらいだったわけです。

参考までに、今回の金メダルを金属としての価格で見ると6万円ほど。銀メダルは約3万8000円。銅メダルは、当然ほぼ銅(90%、残り亜鉛)でできていますが、価格は100g/80円(豚コマより安い!?)くらいなので、いいとこ500円ということになります。

金メダル=大手企業の生涯賃金!?

金メダルの価格的価値を、メタルの含有量だけで見てみましたが、なにせ五輪の金メダルですから、付加価値はスゴイはずです。ただし、なかなか売ってません。そこで、本来の値段を考える上で、2つの観点から考察してみましょう。

まず、メダルそのものの市場価格という観点。実は、自分が獲得した金メダルを売却した人は、わずかですがいるのです。アメリカの雑誌『TIME』は、そんなアスリートたち10人を取り上げています。

その中でとりわけ高額だったのは、1996年のアトランタ大会でボクシング男子スーパーヘビー級の金メダルを獲得したウクライナ代表ウラジミール・クリチコ氏。16年後の2012年、オークションに出品して100万米ドル(約1億円)で落札されました。そして、売却金はすべて自国の教育基金に寄附したとのこと。ただし、クリチコさんの価格は破格であって、よほど有名選手でなければ、過去の例から見て、相場は500万~1000万円といったところです。

もうひとつ、付加価値を知る手段が、金メダルを手にしたことによる報酬です。平昌五輪は、日本の場合、金メダル1個につき報奨金としてJOC(日本オリンピック委員会)から500万円が渡されます。夏季大会のリオ五輪が1000万円でしたから、気温同様、冬期は財布もお寒いということでしょうか。ただし、実際はそれ以外にも各協会、所属団体、契約スポンサーから報奨金が出るのが一般的。スケート連盟はJOCとは別に金メダルに500万円。スノーボードの竹内智香選手に対して、スポンサー契約を結ぶドーム社が「金メダルなら3333万円のボーナスを支給」という報道も話題となりました。

それだけではありません。変なことで足を踏み外さなければ、金メダリストとして仕事には困らないはずです。とくにメジャーな競技なら、指導者やスポーツキャスターとして、講演やテレビ解説もあるでしょう。そうなると、金メダルを首にかけた瞬間、少なくとも大手企業のサラリーマンの生涯賃金=2~3億円くらいの価値は手にしたのかもしれません。

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