シングル・DINKS向けマンション/シングルのマンション購入

母娘で購入!? すまい給付金の持分を考える

シングル女性の相談で意外と多い話題が「いつか母親と暮らしたい」というもの。「将来の一緒に暮らす」を「今、一緒に暮らす」と切り替えることで、新設された「すまい給付金」を多めにもらえないかしら、とシミュレーションしてみました。あなたのケースに照らし合わせてお読みください。

大石 泉

執筆者:大石 泉

シングルのマンション購入ガイド

個別相談をしていると、マンション購入のことだけでなくライフスタイルやキャリアプラン、老後のこと、家族のこと、職場のこと、趣味のことなど、実に様々な話題が出てきます。シングル女性のご相談で意外に多い話題が「いつか母親と暮らしたい」というものです。あなたはいかがでしょうか。

彼女たちは「自分で住むためのマンションを購入する予定だが、将来母親と暮らすことを考えて、部屋数も広さも収納も余裕を持っておきたい」と手元資金との相談にも余念がありません。このようなケースには、親からの資金援助(贈与)が付いてくることもしばしばです。

この「将来一緒に暮らす」という希望を「今、一緒に暮らす」と切り替えると、新設された「すまい給付金制度」による給付金を母親が受給できるケースがあります。消費税増税の住宅を購入した場合に適用される「すまい給付金制度」を自分の場合にあてはめて理解するとともに、購入時に「一緒に暮らす」ケースを試算し、選択肢を増やしてみませんか。自分のケースに当てはめながら読み進めてください。

すまい給付金制度と住宅ローン減税

4月から消費税率が引上げられましたが、お財布への影響はいかがでしょうか。マンション価格への影響は、消費税の課税対象となる建物相当額のみだとは言え、マンションは元の値段が高いため、やはり負担は増えます。高くなった販売価格を見て「考えているよりも高いなぁ。賃貸のままでもいいかなぁ」と、購入意欲が下がってしまうと景気回復にも悪影響が出かねません。そこで政府は、消費税率引上げによる負担の軽減を図るため、住宅ローン減税の拡充とすまい給付金制度の新設を行いました。

「住宅ローン減税」は、これまでガイドコラムでもご紹介してきましたが、返済期間10年以上の住宅ローンを組んで住宅を購入した際、一定の条件のもと10年間にわたって年末の住宅ローン残高の1%を所得税等から控除する制度です。消費税率引上げのこのタイミングで、控除対象となる年末残高が2000万円から4000万円に引上げられました(一般住宅の場合)。
※詳細の要件等は、国税庁のタックスアンサーなどにてご確認ください。

一方の「すまい給付金」は、新設された制度です。対象となるのは、住宅ローン減税と同じく、消費税率が引上げられた後の住宅を購入する場合。ただし、最大10年にわたって控除が受けられる住宅ローン減税とは異なり、一度きりの給付金なので注意が必要です。すまい給付金のポイントを住宅ローン減税と比較しながら見ていきましょう。

すまい給付金は、低年収の人ほど給付基礎額が高い

住宅ローン減税の控除対象年末残高は4000万円に引上げられましたが、この制度拡充は年収が高くて借入額が多い人により恩恵がある内容です。例えば、対象残高が4000万円に引上げられても、2000万円しか借りない人には元の制度で十分。また、4000万円の1%の40万円が所得税から戻ってくる場合も、所得税額が20万円に満たなければ、これまた元の制度で十分ということになります。

一方のすまい給付金は、住宅ローンの借入額には影響せず、収入額と持分によって決まり、収入額が低いほど給付基礎額が高くなる制度です。さらに、給付基礎額は住宅ローン控除のように「年末残高の1%」といった形式ではなく、収入額によって30万円、20万円、10万円のいずれかとなります(消費税率8%の場合)。給付額の計算式と給付基礎額(消費税率8%の場合)は以下のとおりです。

■給付額の求めかた
【給付額】=[給付基礎額]×[持分割合]

■収入額の目安と給付基礎額の表(消費税率8%の場合)


kyuuhu

すまい給付金の基礎額一覧(消費税率8%の場合)


※都道府県民税の所得割額は、市区町村が発行する課税証明書に記載される都道府県民税の所得割額で確認します。サラリーマンの場合は、勤務先を通じて6月頃に配付されます。
※神奈川県は他の都道府県と住民税の税率が異なるため、収入額の目安は同じですが、所得割額が上表と異なります。詳しくは、後掲のすまい給付金制度のホームページ等にて確認ください。

すまい給付金の持分割合

前項の公式で出てきた「持分割合」。これは、購入したマンションに対してどれくらいの割合で所有権を持っているかというものです。言い換えると、購入価格に対する拠出額の割合です。例えば、3000万円のマンションをあなたが2000万円の住宅ローンを組み、母親が頭金を1000万円出して二人で共有するケースでは、あなたの持分は3分の2、母親の持分は3分の1です。母親が持分をもたない場合は、母親の出した1000万円は母親からあなたへの贈与という扱いになって母親の持分は発生しません。その結果、マンションはあなたの持分100%の単独所有です。

すまい給付金の給付額は、前述「給付額の求め方」の公式どおり収入額と持分割合で決まります。住宅ローンの利用がなく住宅資金を援助してくれる親も、持分があれば給付の対象です。ただし、自ら居住すること、現金取得者の場合は50歳以上であることなど、床面積が50平米以上であることなど、年収と持分以外に取得者や住宅についての要件があるので確認が必要です。対象となる取得者や住宅の要件について詳しくは、「すまい給付金」の公式ホームページをご覧ください。

年収400万円と600万円の場合でシミュレーションしてみると

以下の前提条件で、住まい給付金を試算します。
(A)
・年収400万円(本人)、年収200万円(母親)
・購入価格3500万円
・住宅ローン借入額2000万円(金利1.74%(固定)・35年・元利均等返済)
(B)
・年収600万円(本人)、年収200万円(母親)
・購入価格4500万円
・住宅ローン借入額3000万円(金利1.74%(固定)・35年・元利均等返済)

■(A)の試算結果
kyuuhu1

(A)年収400万円の場合の試算結果


■(B)の試算結果
kyuuhu2

(B)年収600万円の場合の試算結果


年収別による試算結果は上記のとおりです。年収400万円の(A)の場合、母親が所有権を持つことで持分に応じた給付がなされます。母親の1500万円を贈与にすれば、母親の持分はゼロとなり、すまい給付金の対象外です。その代わり、あなたの持分が100%となるため、給付金額が20万円に増額します。

年収600万円の(B)の場合はどうでしょうか。消費税率8%の現段階では、住まい給付金制度の年収要件(収入額の目安425万円以下)から外れるため給付はゼロですが、母親へは持分に応じた給付がなされます。母親の資金援助を贈与で受ければ、母親は給付金の対象外です。

贈与か、持分か

住宅購入の際の親からの資金援助の受け方は、贈与、持分、借入れの3つです。住宅購入資金等の贈与については特例もあり、贈与を選ぶケースも少なくありません。その一方、「母親の大切なお金をもらうのは忍びない」と贈与ではなく、借入れを選ぶ人もいらっしゃいます。母親の好意の塊である資金援助を受ける際、「同居」という予定があるならば、贈与や借入だけでなく「母親が持分を持つ(住まい給付金制度)」ことも検討の物差しに加えてみてはいかがでしょうか。






※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます