削除済みのデータが削除されていない? データ消去ソフトが必要な理由
Windowsパソコンでは、エクスプローラを使ってファイルやフォルダを削除できます。削除したファイル・フォルダはいったん「ゴミ箱」に移動し、「ゴミ箱」から削除すれば完全に削除される仕組みです。しかし、この方法で削除したファイルやフォルダは、特殊なソフトを使うともとに戻す(復元する)ことができます。だったら、ディスクをフォーマットすれば大丈夫だと思われるかもしれませんが、残念ながら、フォーマットしても、特殊なソフトがあれば復元することは可能です。
つまり、パソコンを廃棄したりリサイクルに出したりするとき、「データを削除したので大丈夫」と思っていても、じつは保存されていた自宅の住所や電話番号、クレジットカードのパスワードや家族のプライベートな写真などが、見ず知らずの人に見られるリスクがあるということです。
「データ消去ソフト」はこうした危険をなくすため、データを完全に消去するソフトです。古いパソコンを破棄したり、リサイクルショップなどに持ち込んだりする前には、ぜひデータ消去ソフトでデータを消去することをおすすめします(業者によっては、データ消去のサービスを行っているところもあります)。
以下では、おすすめのデータ消去ソフトとして、「AOSデータ」と「ジャングル」の製品、および無料で利用できるフリーソフトを紹介します。なお、市販製品については、体験版が用意されていないので、心配な方は購入前に各メーカーに疑問点などを問い合わせることをおすすめします。
<目次>
- 1.ターミネータ 10plus データ完全抹消 BIOS/UEFI版(AOSデータ)
- 2.電子データ シュレッダー2(AOSデータ)
- 3.完全ハードディスク抹消17(ジャングル)
- 4.完全ファイル抹消17(ジャングル)
- 5.完全抹消17 情報漏えい対策パック(ジャングル)
- 6.ディスク消去ユーティリティ
1.ターミネータ 10plus データ完全抹消 BIOS/UEFI版(AOSデータ)
動かなくなった古いパソコンのデータも完全削除できるハードディスクに保存されているデータを丸ごと削除する製品です。内蔵ハードディスクだけでなく、USB接続のハードディスク、SDカード、USBメモリーなどのリムーバブルメディアを丸ごと削除することも可能です。
また、動かなくなった古いパソコンのデータを、CD-ROMから起動して削除できるのも特徴です。CD-ROMドライブがないパソコンの場合は、USBメモリに「ターミネータ」を作成し、USBメモリから起動して削除することができます。
削除のレベルは10段階を指定できます。米国国防総省が採用している方式も選べるので、安全性は非常に高いといえます。
なお、特定のファイルだけを削除することはできないので注意してください。ファイルだけを完全削除するなら、次の「電子データ シュレッダー2」を利用する必要があります。
「ターミネータ 10plus データ完全抹消 BIOS/UEFI版」は、メディア全体を一気に削除するので、パソコンを破棄したりリサイクルに出したりする前に利用する製品という位置づけになります。
<関連サイト>
http://www.finaldata.jp/terminator/pkg/
2.電子データ シュレッダー2(AOSデータ)
指定したファイル・フォルダを完全削除するシュレッダーソフト特定のファイルだけを完全に削除する製品です。仕事をしていると、個人情報などの機密情報の含まれたPDFファイルやExcelファイル、画像などを扱うことがあります。こうしたファイルは、仕事が終わったら完全に削除することが求められます。そのような場合に、この製品を使うと安全です。
基本的な操作は、ファイルを選択して「ファイルの抹消」という機能を実行するだけです。また、スケジュール機能であらかじめ設定した日時に定期的にファイルの抹消を実行することもできます。抹消すると、「いつ、誰が、どのファイルを抹消したか」が記録されるので、社内監査にも対応できます。削除のレベルは7段階用意されています。
なお、パソコンを破棄したり、リサイクルに出す際にデータを消去したりするためには、1つ前に紹介した「ターミネータ 10plus データ完全抹消 BIOS/UEFI版」が必要になります。
<関連サイト>
http://terminator.finaldata.jp/?page_id=12239
3.完全ハードディスク抹消17(ジャングル)
ハードディスクやUSBメモリのデータを一括で完全削除ジャングルから発売されている「完全抹消17シリーズ」のうち、ハードディスク全体を完全削除する製品です。CD-ROMから起動して、削除レベルを指定するだけで、パソコン内蔵のハードディスクはもちろん、外付けのハードディスク、USBメモリ、マイクロSDカード、デジカメのメモリーカードなどのデータを削除できます。
また、Windows XPなどの古いパソコンにも対応し、Windowsが起動しなくなったパソコンでも、CDから起動して削除することが可能です。なお、用意されている削除のレベルは6段階となっています。
あくまでハードディスクなどのメディアを一括する削除する製品なので、特定のファイルだけを削除することはできません。その場合は、次の「完全ファイル抹消17」を利用する必要があります。
<関連サイト>
https://www.junglejapan.com/products/kanzen/masshou/hard-disk/
4.完全ファイル抹消17(ジャングル)
業界最多の15レベルを用意したファイル・フォルダの完全削除ソフトジャングルから発売されている「完全抹消17シリーズ」のうち、ファイル・フォルダを指定して完全削除する製品です。削除の方法は、ファイルの右クリックから削除する方法、シュレッダー型のアイコンにファイルをドラッグ&ドロップする方法、日時を指定して定期的に削除する方法の3つが用意されています。
用意されている削除のレベルは15段階で、業界最多をうたっています。レベル1だとスピード重視、レベル15だと時間はかかりますが、より安全になります(データの復元が困難になります)。レベルが多ければよいというわけではありませんが、ユーザーの安心感にはつながると思います。
<関連サイト>
https://www.junglejapan.com/products/kanzen/masshou/file/
5.完全抹消17 情報漏えい対策パック(ジャングル)
2製品をパックにしたお得版先に紹介した「完全ハードディスク抹消17」と「完全ファイル抹消17」の2製品を1つにしたお得パッケージです。フォルダ・ファイル単位での削除、ハードディスク等のメディア全体の削除の両方の機能が必要な場合は、2つの製品を個別に購入するよりもお得です。
ただし、パーソナルユースでは、両方が同時に必要になることはあまりないと思いますので、片方だけでよい場合は、いずれかの製品を選択すれば十分だと思います。
<関連サイト>
https://www.junglejapan.com/products/kanzen/masshou/special-pack/
6.ディスク消去ユーティリティ
無料で使えるドライブの完全削除ツール最後に、無料で使える「ディスク消去ユーティリティ」というフリーソフトも紹介しておきます。ZIP形式のファイルをダウンロードして解凍すると、「DiskEraseUtil.exe」というファイルが得られます。これがプログラム本体です。実行すると、パソコンに接続されているUSB接続のハードディスクやUSBメモリ、SDカードなどのデータを完全削除することができます。なお、この方法では、安全のためにWindowsがインストールされているドライブ、および「DiskEraseUtil.exe」が起動しているドライブは削除できません。
パソコンを破棄する際には、Windowsがインストールされているハードディスクのデータを削除することもできます。それには、Windows PEという特別なWindowsを起動するUSBメモリを作成し、そこから「DiskEraseUtil.exe」を起動します。起動用USBメモリの作成方法は、ZIPファイルの解凍で得られるPDFファイルに書かれています。
なお、削除レベルとしては「ゼロライト」「ランダムライト」「米国家安全保障局(NSA)推奨方式」の3つが用意されています。家庭用のパソコンであれば、それほど神経質になる必要はないと思いますが、市販製品よりは削除レベルが少ないので、漏洩が許されないデータが保存されていたパソコンを破棄する場合などは、市販製品の方が安心でしょう。
- 作者名:つぢ製作所
- ソフトの種類:フリーソフト(寄付歓迎)
- 公式サイト:http://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se500811.html
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