言い回しや綴りはイギリス英語
アイルランドでの買い物やパブで使う表現はイギリス英語を参考に
旅行でよく使うのがデパートなどの階層ですが、アメリカ英語では一階から「first floor→second floor→third floor」と続きますが、イギリス英語、つまりアイルランドでは一階から「ground floor→first floor→second floor」となります。順番を待つ列もイギリス英語およびアイルランドでは「queue」(キュー)、アメリカ英語では「line」。アイルランドではたまに列を指し示すサインに「queue」でなく「Q」(キュー)とシャレで書いてあることもあります。
ボキャブラリーだけでなく、アイルランド英語は綴りもイギリス英語に准じています。たとえばイギリス英語で街の中心地を指す「city centre」という単語の一部「centre」は、アメリカ英語では「center」という綴りになります。綴りによく注目してみてください、これ、イギリス英語とアメリカ英語では微妙に違って、eとrがひっくり返っているのです。ちなみにアメリカ英語では街の中心地は「city center」ではなく「downtown」と言います。
少しアカデミック寄りの単語になりますが、analyse(アメリカ英語ではanalyze)や、organise(アメリカ:organize)などもアイルランドではイギリス英語の方の綴りになります(イギリス英語の~se系は基本アメリカ英語では~ze)。このように、アイルランドでは英語の綴りはほぼイギリス英語と考えていいと思います。
発音はアメリカ英語との共通点も
綴りや言い回しはイギリス英語のアイルランド英語。気になる発音はというと、アメリカ英語との共通点も見られるんですね。分かりやすいところで言うと、「r」の音。イギリス英語は語尾などの「r」は発音しませんが、アメリカ英語では漏れなく発音します。そして気になるアイルランド英語はというと、この「r」を発音するのです。
でも、短い母音が前に来る「t」の発音が強く聞こえるあたりなどは、イギリスの英語にも近いかなと思います。たとえば「put」や「cut」などがこれにあたります。
もちろんアイルランド独自の発音もあります。面白いのは「th」の音で、アイルランドでは「three」の発音は軽く舌を噛みながら息を出す通常の「th」ではなく「tree」(木)のように発音します。このあたりはこのように発音されることを知ってさえいれば、日本人にとっては発音しやすく聞き取りやすいかもしれないですね。
写真を撮っていてもこの通り、人懐っこくポーズをとるアイルランド人