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2016年公示地価は全国平均で上昇、各地の動向を探る



2014年1月1日時点の公示地価が3月18日、国土交通省より発表されました。景気回復に対する期待の高まりや、大胆な金融緩和、消費増税を控えた内需の拡大などを背景にして、日本の地価は上昇への動きを強めているようです。

全国平均では住宅地、商業地とも2009年から6年連続の下落でしたが、下げ幅は4年連続で縮小し、住宅地はマイナス0.6%、商業地はマイナス0.5%と、ほぼ横ばいの水準になっています。

3大都市圏では住宅地のほぼ半数、商業地の3分の2が上昇となり、住宅地平均は0.5%のプラス、商業地平均は1.6%のプラスと、いずれもリーマン・ショック後における地価の落ち込みから6年ぶりの上昇となりました。

地価動向が大きく変わった2014年(平成26年)の公示地価について、その特徴を確認しておくことにしましょう。


公示地価とは?

公示地価とは、地価公示法(昭和44年法律第49号)に基づき、国土交通省による土地鑑定委員会が毎年1回公示する、1月1日時点における標準地の価格で、公共事業用地の取得価格算定の基準とされるほか、一般の土地取引価格に対する指標となることを目的としています。

2014年の公示対象市区町村は1,378(東京23区および785市531町39村)、対象地点の数は前年から2,620減って23,380(うち346地点が選定替え)となっています。ただし、このうち原発事故による避難指示区域内の17地点については、前年に引き続き調査が休止されています。

公示地価ではその土地本来の価値を評価するため、現存する建物などの形態に関わらず、対象土地の効用が最高度に発揮できる建物などを想定したうえでの評価が行なわれることになっており、今年は2,593人の不動産鑑定士が携わりました(国土交通省公表資料より)。

なお、公示地価についての詳しい内容は、国土交通省の「土地総合情報ライブラリー」にアクセスすることで、1996年(平成8年)以降のものを見ることができます。


3大都市圏は6年ぶりの上昇へ

公示地価はリーマン・ショック後の2009年に下落へ転じましたが、2011年からは下落率の縮小傾向が続いています。全国平均は今年で6年連続の下落となったものの、住宅地、商業地とも1%未満の下落にとどまりました。

2014年公示地価の変動率
公示地価の変動率推移(全国平均)

3大都市圏では、大阪圏の住宅地が0.1%の下落だったのを除いておおむね上昇へ転じ、平均でも6年ぶりの上昇となっています。

住宅地における公示地価の変動率推移

上昇地点の数(全用途)は7,102で、前年の2,008から約3.5倍に増えました。横ばい(変動率0.0%)地点の数は3,536(前年は4,372)、下落地点の数は12,379(前年は18,355)です。

上昇地点の内訳をみると、東京圏が3,522で前年の606から約5.8倍に急増、大阪圏が927で前年の348から約2.7倍、名古屋圏が861で前年の395から約2.2倍、地方圏が1,792で前年の659から約2.7倍となっています。

東日本大震災後には地価の下げ止まり傾向に遅れがみられた東京圏ですが、前年に引き続いて3大都市圏のなかで最も大きな伸びを示し、住宅地では56.4%、商業地では75.5%の地点が上昇となりました。

その一方で、東京圏よりも地価の下げ止まりや上昇への転換が先行した大阪圏は、住宅地の上昇地点が28.0%にとどまり、下落地点が44.7%にのぼっています。商業地も上昇地点が50.3%、下落地点が23.8%で、東京圏や名古屋圏に比べて上昇傾向に勢いがみられないようです。

また、地方圏は住宅地の75.4%、商業地の77.0%が下落となっています。上昇地点にも偏りがみられ、依然として厳しい状況であることに変わりはありません。


都道府県別平均は、住宅地で7都県、商業地で10都府県が上昇

前年は住宅地で宮城と愛知の2県、商業地で神奈川の1県にとどまった上昇ですが、今年は住宅地で7都県、商業地で10都県が上昇となりました。ただし、上昇率は最大でも2.5%にとどまり、地価急騰といった状況ではありません。

住宅地が上昇だったのは、宮城(2.5%)、福島(1.2%)、埼玉(0.3%)、東京(1.4%)、神奈川(0.6%)、愛知(1.1%)、沖縄(0.1%)の7都県です。それ以外に千葉も横ばい(0.0%)でした。とくに、福島は住宅の移転需要などの影響で19年ぶりの上昇、沖縄は再開発などを背景に同じく19年ぶりの上昇となったようです。

商業地が上昇だったのは、宮城(1.7%)、埼玉(0.5%)、千葉(0.3%)、東京(2.3%)、神奈川(1.5%)、愛知(1.8%)、滋賀(0.4%)、京都(1.1%)、大阪(1.9%)、沖縄(0.5%)の10都府県です。沖縄は23年ぶりの上昇でした。

なお、すべての都道府県で住宅地、商業地とも、上昇率の拡大・上昇への転換・下落率の縮小といった「プラス方向への変移」になっています。


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