新型Cクラス、安全装備は上級モデル並み、インテリアはEクラスをも凌駕
Cクラスは、AやBといったコンパクトモデルが人気を博すようになった今でもなお、間違いなくメルセデス・ベンツの基幹モデルであり、その7年毎のフルモデルチェンジともなれば、世界中の自動車メディアが熱い視線を注ぎ込む一大事である。昨年(2013年)来、すでにW205新型Cクラスの概要、特に評判の高い現行Sクラスにも迫る内外装の見映え質感の高さ、は、専門メディアなどを大いに賑わわせてきた。
そして、14年初めのデトロイトでのワールドプレミア以降ともなれば、その全容が明らかになって、ふだんはこの手のセダンモデルにさほど興味を示さない筆者でさえも、試乗の機会を待ち遠しく思ったものだった。
まずは、新型Cクラスの注目点を簡単に振り返っておこう。
ついにグローバルDセグサイズまで拡大されたボディ寸法からいこう。ライバルたちが次々にサイズアップを図るなか、これまでのCクラスは小さくまとまっていた。普段使いにいろいろとサイズ制限のある日本のユーザーにとってはとても嬉しいことだったわけで、新型Cクラスのサイズを聞いてがっかりした方も多いと思う。少し前までならEクラスと言っても通用するホイールベース長と横幅を得るに至ったのだ。
これにはエンジニアリングサイドからの説明で、主に全長の伸びは、ホイールベースとフロントノーズの延伸のためで、室内空間(特に後席)と積載容量の向上と、壊すと高くつくフロントヘッドライトを保護するため、だという。また、横幅アップに関していえば、フロントサスペンション4リンク化(他モデルへの転用を予定)による運動性能向上のため、という説明がなされている。
もっとも、全幅に関していえば、1810mmということで、日本仕様対策、つまりは1800mm以下とする工夫、も欲しかったところだが、フロントフェンダー形状の変更を伴うため、現時点では見送られている。
このあたり、ほぼ旧型CクラスサイズのCLAクラスがすでに登場していることとも無関係ではない。
次に、軽量化だ。ボディ構造のうち、アルミニウム素材の占める割合を飛躍的に高めた。大きな部位であるルーフなど、実に48%がアルミ製である。結果、従来型に比べて大型になり装備が増えたにも関わらず、実に100kg前後のダイエットに成功した。パワートレインの進化とともに、いっそうの効率化へ多大な貢献を果たしたといえそうだ。
空力性能の向上も、効率化対策の重要なパートである。CLAほどではないにせよ、Cd値0.24はクラスリーディングな数値と言っていい。
ダイナミック性能面では、ディーゼルターボ(C180、C200、C220、C250の各ブルーテック)、ガソリン(C180、C200、C250、C400)、マイルドハイブリッド(C300ブルーテック)、プラグインハイブリッド(C350)といった豊富なエンジンラインナップとともに、クラス初のエアマチックサスペンションの採用(オプション)が話題となろう。軽量化とともに、走りへの期待が高まる。
そして、内外装のフィニッシュレベルの高さだ。エクステリアデザインはSクラスと見間違うほどに立派で、初代Cクラスというべき190シリーズが登場したときを思い出させる。
インテリアの仕上げはさらに圧巻だ。ドアトリムやダッシュボードセンターのデザインやクオリティは、まさに1クラス上。現行Eクラスを完全に凌駕した。タッチパッド付きのコマンドシステムなど、最新の操作系も備わっている。もちろん、安全に関する装備は、上級モデルと同一だ。